その97(大コンペ準備編) ページ3
廊下を真っ直ぐ行けば沢山扉がある広間に出た。
部屋の両壁には三枚ずつのカラフルな扉。
奥の扉は何枚か既に開いているようだ。
開いている扉には数字を入れるプレートがはまっている。
一枚だけ閉まっている扉は藍色がさらにくすんだような色。扉の中央にトランプの四種類の形をしたボタンがはまっていた。
すごく、不思議な部屋だ。二階の奥にヒナさんの部屋だけあるのも不思議だけど、この空間は、部屋と言うより…
｢謎解きの部屋みたい…｣
私の呟いた声が、静寂な空間に溶けていく。返事は、ない。
そういえば、ここは脱出ゲームだった。ということは、ヒナさんの部屋も脱出要素として使われたのだろうか。
どうしてヒナさんは、そこに今も住んでいるのだろう。
｢…いこう｣
何故か高まる緊張感と疑問を、頭を振って振り払う。
一呼吸置いてから、そっと扉をノックしてみる。だが、反応はない。
これはアカウさんに聞いていた通りだ。集中しているヒナさんの耳には何も聞こえない。
『イツもヒナの部屋、開いてるカラ。そのママ、入ったらイイヨ。扉分厚くテ、声届かナイだろうカラ』
そう言われているけれど、やっぱり勝手に人の部屋に入るみたいで、落ち着かない。
｢お邪魔、します…｣
そうもいってられないのでたかをくくり、扉を開けた。
重くて、普通の部屋の扉とは、思えなかった。
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目に飛び込んできたのは、人形だった。
壁にも、床にも、テーブルの上にもびっしりと。フワフワの人形ではなくてノゾミさんやマツリさんが言っていたような、女の子の陶器のような人形。ツインテールやロングヘアー、様々な髪型に、色んな髪の色。
(わぁ…)
マツリさんやノゾミさんはこの部屋が苦手みたいだったけれど。
(綺麗、だな…)
そう、思った。
確かに能面の人形も多い。恐い人は恐いだろう。
けど、どの人形もとても大切に置かれている。磨かれているのか、ピカピカだ。沢山の人形の目が、宝石のように輝いている。
ヒナさんにとって、人形が大事なのだと、良くわかった。
その部屋の中央。そこにヒナさんは地べたに座っていた。最初に会った時と同じように、パソコンに向かって一心不乱に何かを打ち込んでいる。
｢…ヒナ、さん｣
声をかける。すると、ピタっとヒナさんの動きが止まる。そしてそろそろと、こちらを向いた。
｢沙良ちゃん…｣
その顔は、ひどく強ばっていた。
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あの部屋を見て綺麗というのはこの主人公くらいてすね…
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ソフィア(プロフ) - 如月すやさん» いつもコメントありがとうございます！必ず投稿は続けますので、よろしくお願いします！ (2021年8月23日 23時) (
レス) id: 21c625e26e (このIDを非表示/違反報告)
如月すや(プロフ) - 続編待ってました！ゆっくりでも全然大丈夫（誰目線？）ですので、更新頑張ってください(^-^)/ 応援してます！ (2021年8月19日 16時) (レス) id: f380242dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフィア | 作成日時：2021年8月18日 23時
