その106(大コンペ準備編) ページ12
｢なら、このまま食堂階にー｣
｢あ、あの…｣
エレベーターに乗り込もうとするノゾミさんたちを引き留める。ヒナさんのこと、言っておかないと。
｢ちゃん沙良、どうかした？｣
｢あの、今日の晩御飯、なんですけど、ヒナさんも、一緒でも、いいですか？｣
聞くと、キリオさんが難しそうな顔をする。
｢うーん、どうかな？あいつ、いつもこっちこないんだよね｣
｢ええ、昨日が初めてじゃないですか？｣
滅多にトレーラーハウスには行かないってヒナさん言っていたけれど、そこまで行ってなかったんだ。
本当に、仕事が理由なんだろうか。
｢誘ってみても、いいかもしれないけど｣
｢えっと、もう、誘いました。｣
｢へえ？｣
｢なるほど？｣
キリオさんとノゾミさんが同時に意外そうな声をだした。
｢まさか沙良さんが人を誘うなんて｣
｢ちゃん沙良も成長してるってことか｣
二人の眼差しがとても暖かい。なんだか恥ずかしくなってくる。
｢それで、ヒナさんはなんと？｣
｢行くって、言ってくれました｣
私の一言で、さっきよりも二人が驚いた顔になる。
｢…うっそ。ちゃん沙良にたいしてはデレデレしてたけど。まさか、ここまでとは｣
キリオさんの｢信じられない｣という呟き。
｢ふむ…。ヒナさんの周りは男性かロボットしかいませんでしたから。沙良さんの存在は大きいのかも知れませんね｣
そう言ってもらっても、私なんて対したことないと思う。ただ、ヒナさんが私に合わせてくれているだけなんじゃないだろうか。
｢ヒナが了解してるんだったら、俺としては全然大丈夫｣
キリオさんが指でOKマークを作る。
｢俺も全く問題ありません。作る担当ではないので｣
無事お二人の了承が取れて、ほっとした。
#######
そうして、晩御飯の食材やらなんやら色々買った。帰り際、アカウさんからお詫びとして飲むオイルをもらったが、ノゾミさんが突き返してしまった。
｢いいですか、沙良さん。この世界のオイルを安易に飲んではいけません｣
｢俺は別にいいと思うけど｣
｢飲んだことない人は黙ってください｣
なんでダメなのかはわからなかったかけど、ノゾミさんが凄く真面目な顔をしているので、しっかりと頷いた。
こうして、長いような短いような私の工房のお仕事が終わったのだった。
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更新遅くて、短くてすみません…！
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ソフィア(プロフ) - 如月すやさん» いつもコメントありがとうございます！必ず投稿は続けますので、よろしくお願いします！ (2021年8月23日 23時) (
レス) id: 21c625e26e (このIDを非表示/違反報告)
如月すや(プロフ) - 続編待ってました！ゆっくりでも全然大丈夫（誰目線？）ですので、更新頑張ってください(^-^)/ 応援してます！ (2021年8月19日 16時) (レス) id: f380242dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフィア | 作成日時：2021年8月18日 23時
