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【彰冬】放課後の図書室 ページ16

二人は付き合ってます。



【放課後の図書室】



冬弥視点


今日は委員会の当番で、彰人を待たせてしまっている。申し訳ない…


そんなことを考えながら、本の整理や貸出しを行う。


それから何十分か経ち、仕事が一段落したので、机に彰人の様子を見に行くことにする。




彰人を見ると、彰人は椅子に座って眠そうな顔でぼーっとしていた。


「…彰人、毎度待たせてしまって申し訳ない。」


彰人は声に気づくと、こちらを見る。


「…冬弥、それは大丈夫だが、当番終わったのか?」


「いや、仕事が一段落しただけだ。今は誰も来ていないが、まだ閉館するまで時間があるからな。」


そう言いながら彰人の前に座る。


「俺が当番の間暇だろう。だから何か……」


すると、彰人が冬弥の頬に手のひらを当てる。



「……?彰人、何をして……」


「ああ、待たせんなよ。」


そう言って彰人は椅子から立ち上がると、向かいにいる冬弥にキスをした。



「…あ、彰人…?」


じわじわと顔が赤くなっていくのが分かる。


「人を待たせてるんだからな。これくらいさせてもらわねぇと。」


そして今度は両手を冬弥の顔に添えると、再びキスをする。


「んっ…彰人…!ここは図書室だぞ…!?誰か来たらどうする…!」


そう言って彰人の肩を掴む。


「そんなこと言ってらんねぇ。」


そう言うと、彰人に耳元で囁かれる。



「……今はお前に集中したい。」


その瞬間、体の力が抜け、掴んでいた手が肩から離れる。


「っ………」



「はぁ…我慢できねぇ…」


彰人は小さくそう言うと、冬弥を机の傍に押し倒した。



その拍子に、座っていた椅子が倒れる。


「彰人…っやめろ…!」


「…お前のせいでやめらんねぇんだよ。」


そして彰人が冬弥のネクタイに手をかけようとしたそのとき、こちらに向かって歩いてくる足音が聞こえてきた。


「…ックソ………」


彰人は少し焦りながらも、お構い無しに冬弥のネクタイをほどいた。


「駄目だ…!彰人…!」


冬弥の必死な声も彰人には届くことはなく……


ガラッ


「すみません、本返しにきたんですけ…ど……」


図書室に入ってきた男子生徒の声が止まる。



っ…見られてしまった……しかも寄りにもよって一年の彰人と同じクラスの奴だ……


「……あー…お、お前らって仲いいと思ってたけど、やっぱそういう感じだったんだな…!はは、ははは………じゃあな!!」

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作成日時:2021年9月13日 1時

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