白き鶴からの贈り物【刀剣乱舞】 (ページ37)

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翌日

「来ぃはったな。」

私は鶴丸と共に明石の部屋を訪れる。
部屋の隅には大きなケースがあり、そこに錆びて折れてしまった大太刀が入っている。
あれが蛍丸なのかしら。
私たちは明石の向かい側に座る。

「話、聞かせて貰えますね？」

明石は頷く。

「あれは、5年前だったなあ。」

＿＿＿＿＿＿

「国行、また新しい審神者来たって。」
「放っとけばええ。関わってもロクなことにならん。」

愛染国俊がいなくなってから十何年か経った。
審神者に逆らったからやろう。
あいつは正義感強い奴やったからなあ。
今、どうしてるやろか。

「えっと、誰かいるかな？」

襖の向こうから女の声が聞こえてきた。
新しい審神者か。
どうせまた1週間内に辞めるんやろうけど。

「いまへん。」
「いやいるじゃない！！…失礼します。」

襖が開かれる。

「開けてええ言うてないやろ？」
「まぁまぁ国行。」
「どうしても挨拶したくって。私、新しくここの審神者になった者です！まぁ、私の本丸と掛け持ちなんだけどね。宜しくお願いします！」

こっちは宜しゅうしとうないんやけどなあ。
とりあえず無視した。
でも、人のいい蛍丸はどの審神者にも仲良く接しようとする。
それはこの女も例外やなかった。

「俺、蛍丸。宜しく。」

蛍丸が挨拶したらえらい目輝かせとった。
そっから蛍丸と審神者は仲良うなって、いつも一緒にいるようになった。
蛍丸が毎日嬉しそうに話すもんやから、自分も彼女に少し気を許してたんや。
あの日までは。