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ガラッ
「薬研起きろー！！！！」
「……んん、何だよ鶴丸…。」
「審神者の手当頼む！」
「たいしょ……？って！！！」
薬研は私の右腕を見るなり急いで部屋の奥へ行く。
鶴丸は私をゆっくり下ろす。
膝裏を斬られた為、膝に力を入れると痛いな…。
薬研が戻ってくる。
「大将またどうしたんだその傷！？」
「ちょっと色々ありまして。」
「色々あり過ぎだろ…。しかもまた右やられてんのか。いつか大将右手使えなくなるぞ…。」
「気をつけます。」
いざと言う時の為に左手使えるよう練習しよう…。
薬研は手際良く傷口に薬と包帯を巻いてくれた。
「どっちも浅いってわけじゃねぇから、数日間は安静にしろよ。特に膝裏。」
「分かりました。ありがとうございます。」
私は鶴丸に再度おぶってもらい、部屋を出る。
「……ったく、全部1人で背負わなくていいってのに。」
＿＿＿＿＿＿
「…っと、寝れるか？」
「横になれば。」
「そうか。」
鶴丸は私を布団の上へ置いた。
「あの時、何故あそこにいたんですか？」
「たまたま目が覚めたらたまたま話し声が聞こえてきてな。」
「随分たまたまを強調しますね。」
「……まあそれはともかく、君は明石と何があったんだ？」
私は事の経緯を説明する。
「なるほどな。しかし見ないとは思ってたが、蛍丸が別の審神者に殺されてたとはな。」
「知らなかったのですか？」
「明石は前の審神者がいなくなってから部屋にこもりがちであんまり話してないからな。」
「そうですか。」
食べ損ねたほたる饅頭。
こっそり食べてみると、甘いはずなのにどこかほろ苦い味がした。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
