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「ここが前の審神者が使ってた部屋だ。」
襖を開ける。
すると、嫌な気配と匂いが同時に襲ってきた。
「どうだい？悪趣味な部屋だろ？」
「ええ…。」
辺りには血が付着している。
色から見て、結構前の物のようだ。
「何があったの？」
「審神者の要望に応えられなかった刀剣たちが限界まで暴力を振るわれたのさ。」
白い男性は拳をギュッと握り締める。
「あの女……っ！」
「前任の審神者はどちらへ？」
「さあな。男が出来たからって十数年前に勝手に出ていっちまった。まあ、俺たちとしては有難い話なんだけどな。」
彼の表情からは、怒りと悲しみの表情が見られる。
前の審神者が非情な人だという事がとりあえずわかった。
「なるほど。今残っている刀剣男士たちの様子は？」
「まあそれなりに暮らしているさ。行方不明の刀剣男士もいるんだが、未だに見つからない。」
「知らず知らずのうちに折られたのでは？」
「いや、その中のうちの1振りの霊力は微かに感じる。絶対本丸内にいるはずなんだが…。」
「…なら見つけましょう。」
そう言うと、白い男性は目を見開いてこちらを見る。
「いいのか？」
「問題に目を背けたまま本丸で生活したくないので。」
「わかった。もちろん俺も同行する。お前が奴を折ったらたまったもんじゃねぇからな。」
「どうぞ。」
あ、そういえば。
まだ彼の名前を聞いていないような。
「貴方の名前、聞いてもよろしいですか？」
「まだ名乗ってなかったか。鶴丸国永だ。」
「では鶴丸。一緒に探しましょうか。」
「ああ。」
こうして、本丸内に隠された刀剣男士を見つけることとなった。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
