HappyBirthday2 ページ5
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Aの家の前に立ちインターホンを押した。もちろん合鍵は持っているが、もう帰ってきても大丈夫かという確認を含めてチャイムを鳴らした。
チャイムの後、外まで聞こえるドタバタした音。
なにかあったのか。思わず勝手に入ってしまいそうになったとき、ゆっくり玄関を開けてAが小さく顔を出した。少し顔が赤いのは気のせいだろうか。
「…いいよ、入って」
「ああ」
忙しい様子のAに疑問を抱きつつも家に入る。小官が靴を脱ごうと玄関で立ち止まってる隙にAは駆け足でリビングへと戻って行った。
…やはり何か怒らせてしまったか?
いや、しかしAならもう少し分かりやすく腹を立てるはずだ。小官に気付かせるためにわざと。
なら、一体…なんだ。
そうぐるぐる思考を巡らせながらリビングに入る。
リビングに足を踏み入れたその瞬間、パンッ!となにかが破裂した音が聞こえた。
「おめでとう!理鶯!」
「…!」
「理鶯今日、お誕生日でしょ?」
クラッカーを持って可愛らしく笑うAの言葉で思い出すように声を出した。
ああ、そうか、小官の誕生日だった。
「…そう、だったな、」
「え。自分の誕生日忘れてたの?」
「いやそういう訳ではないが」
へえ、と漏らしながら使用済みのクラッカーをテーブルに置いたAは小官の方へ歩み寄って瞳を見つめた。
綺麗だ、なんて呑気なことを思っていたのでAに困ったように微笑まれてどきりとした。
「産まれてきてくれてありがとう」
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LOKO - ずっと探してました!素晴らしい作品をありがとうございます (2021年6月12日 13時) (レス) id: 2cf4de4ba9 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - すごく面白かったです。甘々で、凄く好きな作品でした!もう更新はしないのでしょうか?とても好きになってしまった作品なので少し悲しいです。待ってます。 (2019年9月3日 7時) (レス) id: 1bc282c048 (このIDを非表示/違反報告)
涙香 - まずありがとうございます!!←理鶯は天然だけど何処か色気があって雄みがあるんですよね…!!それが匠の様に表現されていて本当に悶えました←本当にこの作品大好きです…! (2018年11月26日 1時) (レス) id: b0edcd9996 (このIDを非表示/違反報告)
タピオカ(プロフ) - 理鶯って天然って云うか鈍感なところあって、いいですよね!更新頑張ってください (2018年7月17日 2時) (レス) id: df53b8b7ae (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 最高です……( ゚∀゚)・;’.、グハッ!! (2018年6月27日 9時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いさ | 作成日時:2018年6月14日 19時