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四話 ページ5

まだ一週間も経っていない高校生活、


僕はかなり有名になったと思う。


もちろん、「独り言多くね?気味悪い」っていう悪いイメージで。


それは碧人のせいなんだけどな。


……はぁ。また、僕はこうやって碧人のせいにしてしまう。


話かけられたら無視すればいいだけなのに、何故か無視できない。何でかはわからないけれど。


「なぁ、想空。部活どこにすんの?」


胡座(あぐら)をかきながら浮いている碧人が尋ねる。


「うーん。碧人が言ってた弓道部、結構いいよね。部長も良い人そうだったし、弓道部にしよっかな」


今言った言葉に嘘はなかった。


正直、僕にできるかどうかは分からないけど、入部してみたいっていう気持ちが強かった。


しかし、碧人の表情は暗かった。


「……弓道部にすんの」


「うん、新しいことにも挑戦したいし」


「……あのさ、


弓道じゃなくて、サッカーでよくね?」


「……は?」


突然の言葉にびっくりする。


意味がわからない。何で、急に。


「やっぱり、想空はサッカーの方が似合ってるし、サッカー部にしなよ」



昨日までは弓道弓道言ってたくせに。



なんだよ。自分勝手すぎないか?



別に、僕だってサッカーが嫌なわけではない。今でも好きだ。


だけど、他の事にこんなにも興味を持ったのは初めてで。


だから、碧人に言われた通り、弓道部に入部しようと思ったのに。


「僕は弓道部に入部する。碧人がなんと言おうと」


「……お願い、弓道部だけは、やめて」


「何で?理由言ってくれないと分からないじゃないか。僕だって納得いかない」


「……ごめん。でも、俺は嫌だ。あの、部長が」


「そんなの知らないよ。


……昨日までの碧人だったら、喜んでくれたと思ったのに」


あの部長が嫌だとか僕は知らない。そんな理由じゃ納得いかない。


ただ、僕は弓道部に入りたい。


そう思ったんだ。

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餅木(プロフ) - シリアスな感じが好きです! (2022年1月26日 18時) (レス) @page11 id: c3e8d9b56b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つきなが | 作成日時:2018年2月7日 18時

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