ミチルの夢、想区の縁 ページ22
「さ、ここら辺で少し休憩しますか
語るのが長いと聞く方も大変だからね」
「そ…そうね」
「お茶いるー?」
「お願いするわ」
ファルルはお茶を持ってきてみんなの前に置いた
「まさか、ミチルさんにそんな過去があるなんて思いませんでした」
「ここの想区に迷い込む人たちは、みんな辛い過去を持っているのかもしれないわね、ふふ」
ミチルは意味深な笑みを浮かべた
「そっか、私たちみたいな感じだね」
「いや微妙に違うからねお姉ちゃん?」
「あと、ここの想区に迷い込む人、ここの想区にいる人たちはみんな強い夢を持っているか、持ってたと思うのよ。夢のチカラが、私たちを導くの。たったわずかな「縁」も、導いてくれる。」
ミチルは見えない何かを眺めるようにぼんやりと天井を見つめていた
「あ、ミチルさん、お茶の氷とけちゃうよ」
「そんなこと言うからお姉ちゃんはダメなんだって」
「ふふ、ありがとうナノハ。」
「縁…?導かれる…?」
ファルルは不思議そうに首をかしげていた
「ここに来るまでには、沈黙の霧という霧があって、そこは何も無いから、わずかな縁だけで想区に引き寄せられるの。その縁が、この想区は、夢ってことね。」
「ミチルさんにも、夢が?てことは、みんなもあるんだね!」
「もちろん、私もあるしユイカもあるよ!」
「代わりに言われたんだけど…」
ユイカはお茶の氷を頬張りながら話し始めた
「普通に、あたしはお姉ちゃんと世界を変えたいってことだけだし…」
「またまたー、アイドルになりたいって言ってなかった?」
ナノハはのんきに言った
「…私にも夢はあるわ。でも、その話は今話してもまだ分からないと思うわ。さ、そろそろ話を始めましょうか。」
ミチルは再び語り始めた
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