ナノハとユイカとマリー ページ12
それはナノハとユイカが12歳、マリーが13歳の時の記憶だった
『お願い、魔法使い。…変えて』
マリーはナノハが陸地に上がった時に頼った魔法使いのところにいた
『(…ユイカに会いたい。実を言えば、主役としては誇りだけれど、このまま消えたくは無い…あと、1週間で、結婚式…)』
ナノハは王子様のお城で暮らしていた
『…ナノハお姉ちゃん…!急がないと、お姉ちゃんは…主役ですらなくなる…運命が…!』
ユイカは陸地に向かって泳いでいた
『ナノハ。』
『…(マリーお姉ちゃん、どうしてここに…?どうして足があるの?)』
『…私はあなたを助ける役割の運命…なら、あなたの運命を消して、助けてあげる…』
マリーはナノハに薬をかけた
『…っ!?』
『…消えなさい、その運命、私が代わりに歩む…!』
『お姉ちゃん!!!』
ユイカはナノハを水の中に連れ込んだ
『…!…ユイカ…』
『お姉ちゃん、声出てる…水効果かな?』
ナノハの運命の書が勝手に浮き上がり書き込まれていたことが全て消えていった
『『…!?』』
『嘘…、そんな運命が…、消えていく…あ、ああ…』
『そんなことが…あるなんて』
『ああ、ああああああ…』
ナノハはショックで動けなくなった、そして、ユイカは呆然としていた
『お姉ちゃん!』
『やだ、そんな…、やだ、やだやだやだやだ!』
そして、ナノハの運命が、全部、消えた
『やだああああああああ!』
ナノハはありったけの声で叫んだ、だが、運命は帰ってこない。
ナノハはずっと、ずっと、夜通しで泣いていた。ユイカはずっと見守っていたが、やがて寝てしまった。
『(ナノハをよろしくね…ユイカ)』
ユイカは、ふと、そんな声が聞こえた気がした
『(ママ?どうして?)』
そう、レイナ達には話していないが、ユイカに優しかったママがいた
ユイカ達が幼い頃になくなってしまった為〈優しかった〉のである
『〈細かいのはあとよ。まず『若草物語』の想区に向かいなさい。道具は準備してあげるから。〉』
『まって、ママ。ひとつ、お願い事が…』
『何かしら?』
『あたし達に、ここの運命を、変えさせて…お姉ちゃんと…生まれるはずでは無かった私と2人で…』
そう、ユイカは元々生まれる運命ではなく
人魚姫の姉妹は6人、ナノハは末のはずだがなぜか双子としてユイカが生まれたのだ
『〈…約束して。誰にとっても、幸せな運命にすることを…〉』
ナノハとユイカの空白の書には、双子の構築者とだけ書かれた
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