プリパラの想区に迷い込んだ少女たち (ページ13)

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歪みきった運命と失ったものページ13

『ここにはね、運命がゆがんでいる何かがあるのよ
だから、見つけ出して、運命を変えて…』

ユイカの母が最期に言った言葉だった。
ユイカに不思議なにかがある、それに気づいたのはユイカ達の母だけだった。

ナノハとユイカはお城の前にいた
ユイカのヒレは魔法使いに頼んで足に変わっていた…代わりに一番大事にしていた美しい瞳の色を交換条件に出したのはユイカだった

『(ママが言うには…主役にもしもの事があったとき、代わりに代役が主役を務める…今、それがマリーお姉ちゃんだと言うこと…ならやるべき事はひとつ)』

『…ねぇ、ユイカ』

『どうしたの、お姉ちゃん？』

『本当に…よかったの？大好きだった目の色を無くして…』

ユイカの目の色は美しい水色だった
だが色が抜かれて灰色の目をしている

『…うん。目よりも、大切なのは生きること、でしょ？早く、この歪んだ運命を戻そう…』

『…ダメだよ、ユイカ…たとえ私たちを憎んでいたとしても、マリーも救わなきゃ…ダメ…！』

『…』

二人が陸に上がって一週間経ち、ついに王子の結婚式、マリーは海の泡になる日が来た

『…ママは言ってた。全ての人が幸せになる運命にしなさいと…でも！全ての人が幸せな運命なんて…ありえない！マリーお姉ちゃんを幸せにしたら、お姉ちゃんは…空白の書の持ち主として、この想区にいらない人になってしまう…！』

『…いいの、ユイカ。私は空白の書の持ち主でも構わないよ。ユイカと旅ができるなら。だから、構築しよう。運命を、変えよう…』

『…お姉ちゃん…』

ユイカは心を病み始めていた
例え運命を変えても全員が救われないということに気づいてしまったユイカは、構築をするのをためらっていた
…マリーを救えばナノハは主役になれない

『新たな運命よ、求められる幸せよ。』

『…我らの運命を…変えて…』

ナノハとユイカは運命を変えた
運命を変えた二人は多くの苦しみを背負い、
想区を渡り歩いた

…ナノハは主役としての運命を
…ユイカは心と唯一大事にしていたものを
無くしてしまった

ユイカはユイカ自身の『空白の書』を閉じた

「これが、あたしたちの辿ってきた『運命』だよ」

「そんなことが…」

レイナが言ってからみんなは話さなくなってしまった

「でも、『若草物語』の想区は、どういう…」

シェインが言いかけた時にナノハが叫んだ

「ねえ、バケモノが来たよ！」

「嘘、こんな時に…」

「いくよ、ユイカ」

「貴方達…何者なの？」