6月11日 ページ2
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Aの小さな傘の中に男の俺が入るとやはり狭い
「・・・俺が持ちまさァ」
「あ、そうですか？」
背も俺の方が高いから、こいつがすると傘のさす位置が低くて辛い
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「っきゃ」
「もっと近づかねぇと、濡れちゃいやすぜ」
Aの肩を俺の方に引っ張る
引っ張られてびっくりしたように俺の顔を見てきた
自然な上目遣いにドキドキする
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「・・・A」
彼女の柔らかい頬に触れてみるとびくっとして俺から離れた
「ご、ごめんなさい」
「ぁ、悪ィ・・・」
俺、今何しようと・・・
超えちゃいけない一線を越えてしまった気がした
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「・・・何もしねぇよ、いいから、もっとこっち来なせェ」
「う、うん」
戸惑い気味のAは少しだけ俺に近づいた
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「・・・へ、へっくしゅ！！」
「え？」
「あ、ごめん・・・ちょっと寒くて」
なかなか可愛いくしゃみ・・・じゃなくて。
「俺の、着とけ」
「！そ、そんなのだめですよ！」
「いいから、女に風邪ひかすのは、なんかアレだろィ」
「でも・・・」
「でもじゃねぇ ほれ」
「あ、ありがとう、です」
ちょっと焦りながら上着を受け取って申し訳なさそうに着る
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「ふふ」
「何でィ」
「なんか、沖田さんに抱きしめられてるみたいだなぁって」
歩きながら嬉しそうに俺の隊服を着る
なにそれ、かわいすぎる
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「・・・なんなら抱きしめてさしあげましょうか、お姫様」
「！け、結構です！大丈夫です！」
顔を赤らめながら手をぱたぱたと振る
ますますいじめたくなってしまう
「そんな顔で言われても説得力ねぇや」
「ち、近いです」
「そりゃ、近づいてるからでさァ」
「ダメですこんなところで」
「誰もいねぇ」
「いないけど、だ、だめです！」
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あぁ これはもうだめだ
ちょっとだけだから許してくだせェ
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作者名：おはなののか | 作成日時：2016年3月28日 17時
