第２０話 ページ22
次の日。赤也はいつも通りの時間に保健室へ向かう。
「せんぱーい！」
シャッと勢いよくカーテンを開けるも、そこに真瑚の姿はない。
(あれ・・・？)
どこに行ったんだろうと赤也が不思議に思っていると、保健室の先生が
バタバタとせわしなく足音をたてながら入ってきた。
「赤也君大変なの！今すぐ病院に行きましょ！」
「病・・・院？」
その二文字に、赤也は嫌な予感しか感じなかった。
・
＊
・
「血圧、心拍数共に低下しています！」
看護師さんの声が響き、あわただしくドクターたちが処置にあたる。
「真瑚！真瑚！」
「お母さん・・・切原君はどこ？切原君に会いたい・・・。」
真瑚は血の気のない青白い手をさまよわせながら、ただひたすらに赤也を呼ぶ。
「もうすぐだから！もうすぐ赤也君が来るからそれまで頑張って！」
真瑚の手を握り涙でぐちゃぐちゃになりながらも、母は真瑚を励まし続けた。
「切原君に会いたい・・・。切原君・・・。切原・・・くん・・・。」
刹那、真瑚の心臓が止まったことを告げる音が鳴り響いた。
「真瑚！？真瑚！！」
母が真瑚の体を揺さぶるが、真瑚はもう目を開かなかった。
「・・・ご臨終です。」
真瑚の脈を確かめた担当医が、静かにそういった。
「真瑚先輩っ！！」
その時、病室の扉があいて赤也が飛び込んできた。
「先生、真瑚先輩は！？」
赤也の問いかけに、担当医は静かに首を横に振った。
「そんな・・・。」
それが、真瑚の死を意味することぐらい赤也にもわかる。
「真瑚先輩・・・。」
おぼつかない足取りで、真瑚に近づく。
「どうして死んじまうんですか・・・？俺が昨日あんなこと言ったから？
お願いだから、目を開けて・・・。」
真瑚の死顔はとても綺麗だった。まるで眠っているのではないかと錯覚してしまう
ほどに。
「真瑚ったら、直前まで切原君に会いたいって言っててね・・・。本当に赤也君のことが
好きだったのね・・・。」
「・・・・・。」
真瑚の母の話を聞き、赤也はひどい後悔の波に襲われた。
「赤也君、これ・・・。この子のスケッチブックなの。よかったら見てあげて？」
「はい・・・。」
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りこ(プロフ) - キングアイさん» ありがとうございます！ちょっと急いで書いてたんでシロ花とかと比べて心理描写とか背景描写が適当なとこあったんですけどそういっていただけると嬉しいです！ (2017年4月23日 17時) (
レス) id: 15a9a13b29 (このIDを非表示/違反報告)
キングアイ - 今回もすごく面白かったです。泣きました。次回作、楽しみにしてます。頑張ってください (2017年4月23日 14時) (レス) id: 35ce0102ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱいん。 | 作成日時：2017年4月11日 23時
