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「私、家族以外とお祭りに行くの初めてなんです。
だから今日をすっごく楽しみにしてたんです」
「……そうか!
それは良かった!」
そんな事を話しているうちに、まわりは段々と暗くなる。
河川敷は人がギュウギュウと座ってて、今更ながらお店を予約してくれていた先生に感謝だ。
もうすぐ花火大会の開始を告げるアナウンスが流れて、気持ちも盛り上がる。
お店も花火を邪魔しない様に、照明が暗くなりテーブルには小さなキャンドルが置かれた。
「もうすぐ始まるんですって!
ワクワクしますね!」
「ああ! そうだな!」
横を見るお先生が嬉しそうに私の顔を見ていた。
ほの暗い中、キャンドルのゆらゆらとした灯りに照らされた先生の顔はハッとする位綺麗で、よくよく見れば一つに纏めた髪の後れ毛が汗で張り付いている
『先輩と……キス……しちゃったぁ!』
優香ちゃんの嬉しそうな顔が、脳裏に浮かぶ。
いやいや、自分から先生にキスしようとしてたんじゃない。
これ位でドキドキしてどうする。
頑張れ私!
ドーン!!!
パラパラパラ……
大きな音の振動がお腹に響いて、最初の花火が空を彩る。
パッと空を見上げると、視界いっぱいに輝く大きな花火が見えた。
「……うわぁ……
綺麗……」
「……うむ!」
思わず口から感嘆の声が漏れる。
次々と上がるカラフルな花火に、拍手や歓声が湧き上がる。
音楽に乗って仕掛け花火が鮮やかに川面を照らす。
大きな大輪の花火は空いっぱいに広がり、その光の欠片はパチパチと音を立てながら降ってくる。
「……ここまで光が落ちてきそう……」
私は花火に釘付けになって、夢中で天を仰ぐ。
「見事だな!」
ふと、先生の方を見ると先生もこちらを向いて目があって、優しく微笑んでくれる。
はたと周りを見ると、他のテーブルは肩を寄せ合ったり、低い声で囁き合う恋人同士で埋まっていた。
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華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます!これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします!(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます!華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです!!長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます!! そして、煉獄先生ー。がんばれー!!次も楽しみです!! (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか?(*´∀`*)こちらこそありがとうございます!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました!!ありがとうございました!行ってきます!!(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時:2021年3月29日 8時