恋の罠【綾部喜八郎】

25 バスケ 弓道 ページ26

「バスケットボール部 部長の、久々知兵助です。」
すると、私の後ろから声が聞こえた。

「わぁ〜兵助くーん！」
タカ丸さんだ。ぶんぶんっと手を振って気付いてアピールしてる。久々知先輩と仲が良いのかな。
「ﾊﾊﾊｯ…あの人ったら…。
僕達バスケットボール部は、基礎からじっくりと教えますので初心者でも気軽に入部してください。マネージャも募集してます。」
めちゃくちゃ真面目だ。さっきまでの部活紹介が嘘みたいだった。
クラスの女子達も「あの人かっこいい」と小声で言ってる。
そして、バスケットボール部の紹介は終わった。
＿＿＿＿

「ギンギーン！！弓道部部長、潮江文次郎だ！」
謎の鳴き声と共に弓道部の部長がやって来た。
あの人が弓道の部長さんかぁ……面白そうな人だなと思った。
私は、中学校の時に弓道に入っていたから弓道は気になっていた。しかし、違う部活にも挑戦したいと思っている。

「今から的に矢を当てる おい、竹谷。」
「はひぃ！？」
あっ、竹谷先輩だ。高校でも、弓道をやってたんだ。
「的。」
「えぇ！？！？俺が的になれってことですか！？」
「違うに決まってるだろぉ！的を用意しろと言うことだ！！」
一同が笑った。
その中でも見ていた鉢屋先輩がめちゃくちゃゲラゲラ笑ってる。まだ雷子先輩と手繋いでるんかい。
竹谷先輩は、急いで的を用意し 言われた道具を持ってきた。
「俺は、この鉄製の矢で的の中心を狙う。」
鉄製の……矢？
凄く重そうだな。
一年生達は、息を呑みながら潮江先輩を見ていた。
一同皆、静かになった。


バシュッ…！！！

いきなり出た大きな音で、皆体がビクンッと跳ね上がった。
的は、見事に真ん中に的中した。

「俺達は、全国大会まで出場して優勝した。この中でも、興味がある奴は俺の熱血指導で教えてやる。これで、終わりだ。」

女子達が、「潮江先輩意外とかっこいいかも」とか「えっ？でも、なんか老けてね？あれ、留年してね？」など小声で言ってた。
あんなに、見事なパフォーマンスをしたのにアダ名が『留年先輩』というアダ名になったことなんて潮江先輩思ってもないだろうなぁ。

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