鴉の学校と廃れた花園2 (ページ38)

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結局決着がついたのは日が暮れてから
最後まであたしの出る幕は無く、久しぶりに無傷の勝利だ
その代わりアスカ達はボロ切れみてぇになってるけどな

『よお、どうだ、気分は』

血まみれで地面に転がる瀬尾を覗き込んで声をかけると、うめき声あげながら悶えるだけ
返事にもなっちゃいねえ

『デカい口叩くからどんなもんかと思ったら、あたしんとこまで届きもしねえとはな』
瀬「…う、るせえ、カスが』
『アッハッハ、お前ほんと威勢だけはいいな』

息絶え絶えの瀬尾に背を向けると、女とは思えないほどズタボロになったやつら、全員晴れやかな表情をしてる

この学校に舐めてかかっていい女なんて1人もいない
あたしの一強だと思ってんなら、それは大きな勘違いだ

『さーて、帰るぞお前ら、倒れてるやつら拾ってやれ』

何事もなかったようにそれぞれ帰路に着く
ボロボロのアスカ達に別れを告げ、うちに帰ってからしばらくだらだらしてると、インターホンが鳴った

こんな時間にうちに来るなんて誰だ
多摩雄なら勝手に入ってくるし、アスカ達か？
さっき別れたばっかだよな？

予想がつかないままドアを開けると、意外な訪問者が立っていた

『お？時生？』
辰「よお」

周囲を確認してもいつもならいるツレが見当たらない

辰「多摩雄ならいねえぞ」
『なんだ、1人か？どうした』
辰「…飲もうぜ」

コンビニの袋を見せてニカッと笑ってみせる
珍しいこともあるもんだ

『手土産持ってこられちゃ断れねえな、上がれよ』
辰「サンキュ」

こいつが1人であたしを尋ねてくるなんて
なんかあったんだろうな

買ってきてくれた缶ビールで乾杯し、とりあえず一口
なにか言いたげではあるが、自分から本題を言い出さねえところがアスカと似てる

『で？どうしたよ』
辰「なんだよ、用がなきゃ来ちゃいけねえのか？」
『別に構わねえけどよ、そーゆーことじゃねえだろ』

用件を言い出すまで待ってると、時生の口から出たのは意外な言葉だった

辰「…A、今の俺は、足手纏いか？」
『あ？んだそりゃ』