鴉の学校と廃れた花園2 (ページ31)

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『にしても、鳳仙は本気で鈴蘭叩くつもりみてぇだな』
戸「ああ、今回の件は完全に宣戦布告だ」
辰「GPS側も何人か襲われたらしい」
『あからさまだな、隠す気もねえってか』
辰「なんにせよ、俺らが動くかどうかは多摩雄が決めるこった」
『そらそうだ、おい勇次、今回は勝手なマネできそうにねえな』
戸「うるせんだよ…」

しばらくだべってると、多摩雄が帰ってきた
さすがに伊崎相手だと手こずったようで、顔が腫れてる

『おかえり、案外やられてんじゃねえか』
芹「どこがだ、楽勝に決まってんだろ」
『鏡見てからほざけ』
芹「んなもん唾つけときゃ治る」
辰「アスカが聞いたらブチギレるな」
『確実にな、救急箱でぶん殴られるぜ』
戸「使い方間違ってんだろ」

予想通りとは言え伊崎でもこいつには勝てなかったか
正面衝突を避けてたあいつが今動いたってことは大方源治の尻拭いだろうな

確かに相手は鳳仙だ、舐めてかかれる相手じゃねえ、伊崎はそこんとこよくわかってる
GPSだけじゃどう考えても役不足、かと言って芹沢軍団だけで迎えうったとして、勝算はゼロに近い
このまま2人が協力しねえなら速攻潰される
内部でゴタゴタやってる場合じゃねえ

『お前らまだGPSと揉めてんのか』
戸「揉めるも何もねえ、鈴蘭の頭は芹沢だ」
『お前ほんと多摩雄のこと好きな』

茶化してはみたが、勇次の言うことに異議を唱えるやつはいない、死んでも源治のこと認めねえ気か
こりゃGPSも骨が折れそうだな

現状把握ついでにこの先の展開を読もうとしてると、その思考を断ち切る着信音
あたしの携帯からだ
表示名は佐野さん

『はい』
佐【よおA、お前今どこだ】
『今？あー…、鈴蘭…』
佐【…また危ねえとこで遊んでやがるなぁ】
『今はむしろ1番安全だと思うぜ』
佐【飯行くぞ、出てこい】
『あ？今から？』
佐【なんだよ、親父の誘いに乗れねえってのか】
『いやそーゆー訳じゃ…』
佐【5分もすりゃ着く、そこ動くな】

反論の隙もなく切られた電話
あたしの周りはなんでこんな話聞かねえ男ばっかなんだ