episode 29.5 ページ33
side 城一郎
病院にて様々な手続きを淡々と終えた城一郎は、綺麗に化粧をされ目を閉じている、最愛の妻を見つめていた。
いつかは別れのときが来ると、心の準備はしていたものの、いざ現実となるととても受け入れがたかった。
それでも冷静でいられたのは、妻の残してくれた愛する子供たちの存在が大きかっただろう。
「あいつら、ずいぶん大きくなったよな。」
二人だけの小さな白い部屋で、城一郎は朱里に話しかけていく。
「創真とAの劇、何やったと思う？」
「シンデレラだよ。
Aのお姫様すっげーかわいくてさ、見に来てた連中も大絶賛だったぜ。創真の王子もなかなか様になっててな。」
「そうそう、あきらかに創真の台詞だろうってときにあいつ、緊張して台詞忘れやがってな、他の子供たちまで巻き込んで大混乱してやがんの。」
「しかもな、そもそも話もおかしいんだぜ？
王子がいきなり料理修行に行くとか言い出すし、最高の一皿を完成させたやつが姫と結婚できるとか、もうシンデレラじゃねーなって。」
「最終的に食の魔王とか名乗るやつが現れてAを拐うんだけどな、そこを創真がかっこよく助けるわけよ。
あいつ料理が絡むととたんに生き生きしやがるからな。」
「お前にも見せるんだって、あいつら楽しみにしてたんだぜ、朱里。」
城一郎は朱里の頬をそっと撫でる。
「朱里．．．」
城一郎は悲しみをグッとこらえ、彼女の唇にそっとキスを落とす。
「朱里、ありがとう。愛してるよ。」
そして、今まで恥ずかしくてなかなか口にできなかった愛の言葉を贈る。
城一郎の頬には、ひとしずくの涙がつたっていた。
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篠。(プロフ) - マタタ火さん» すみません、マタタ火様が指摘しているのはどちらのことか教えていただけますでしょうか？ (2020年1月6日 20時) (
レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
マタタ火 - その先って何ーー？ (2020年1月5日 12時) (レス) id: 917dfc6071 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - †NANA†さん» ありがとうございます！訂正致しました！ (2019年3月29日 6時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ43で、「知っているよ」が「知ってるいよ」になっています。 (2019年3月28日 23時) (レス) id: e548a45679 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - アリスさん» よろしくお願いいたします☆楽しみにしています(^q^) (2018年6月8日 18時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠 | 作成日時：2018年4月25日 20時
