117話 ？？？side ページ18
？？？side
「あーもしもし、こちら司令塔。管理室の制圧完了、防犯カメラの映像も問題なしだ。そっちはどうだ？」
目の前にある映像を映し出した無数のパネルを見つめながら右耳につけてある無線機で仲間の魔従達に連絡を取る。すると、ザザッというノイズ音が鳴った後、1人の魔従の声が無線機から流れる。
『こちらA班チームリーダー、中央館への侵入完了、それぞれの配置へ着きました』
中央館の方の防犯カメラの映像を見ると、一般人に変装した魔従数名が事前に指示した配置へ付いてるのを確認する。
「OK、確認した。西館のB班と東館のC班はどうだ？」
そういうと、またザザッとノイズ音が鳴り、別の男の声が流れる。
『こちらB班チームリーダー、西館の侵入完了、それぞれの配置へ着きました』
『こちらC班チームリーダー、東館の侵入完了、こちらもそれぞれの配置へ着きました』
「そっちも確認した、全員指示通りに動いてんな。さて……中央館の入り口にいる山本君、
山本の無線機と繋げると、無線機から荒い息遣いが聞こえてくる。
『俺が一番なんだ……どんな奴よりも俺の方が強いんだ……最強は俺、最強は俺……！！』
「おーおー、闘志を燃やしてんなぁ。まるで理性のない猛獣みたいだ」
だが、その方が俺にとっても好都合。
理性もなく怒りだけに囚われた猛獣程、操りやすい奴は居ない。精神が不安定だが、こういう奴は弱い所に付け込まれ、そこに救いの手を差し伸べると、それに騙されてコロっと手玉に取られる。
ほんと、お前が無能な奴で良かったよ。
「お、おい、こんな事して許されるとでも思っているのか！」
薄暗い管理室の中、俺の背後で警備員数名が鎖で縛られ、その内の1人が怯えながらも俺に向かって声をあげた。
流石警備員なだけあって肝は座っているようだ。
「別に、許されると思ってねぇよ。それよりももう少し人を疑うってことをした方がいいぜ。ブレイダーなら普通、通信バングルも付けてるもんだろ。ライセンスの方に目が行き過ぎなんだよ」
ドカッと回転式の椅子に座り、ニヤニヤとしながら自分のブレイダーライセンスをチラつかせる。
「ブレイダーライセンスの複製は禁じられてるはずだぞ……！！」
「複製じゃねぇよ、こいつはモノホンだ。つまり、俺は元々アルティネイターに居たブレイダーって訳だ。今じゃ闇ブレイダーとして犯罪者やってるがな」
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