2 私の能力 ページ2
私、潮南Aは普段と何一つ変わらない日々を今日も過ごしていた。
学校は休日、天気は晴れ。
部屋の中でダラダラと過ごし、時間が流れていく。
何も変わらない、何も無い、そんな日常
しかし、最近はどうも変わったことが起きるようになった。
ーあの日を境に、あり得ないようなことが自分自身に起こり始めた
初めの方は、何が何なのか分からず、震えていたっけ。
今はもう、少しだけ慣れてきたようなきがする。
だんだんと、この猟奇的な「能力」の使い方もわかってきたところでもある。
そう、わたしはある日を境に、〝出来なかったはずのもの〟が、一時的にできるようになったのだ
なんでこうなったのか、全く理解は出来ていないのだが、何故か悪い気はしなかった。
…ピロリン♪
「…!」
唐突に、ケータイの通知音が鳴る。
端末を手に取り、画面を開く。
それは、友達からのSNSのメッセージだった。
『A〜、今日の集合時間10時だよね?』
あぁ、そういえば遊ぶ約束してたっけ。
『うん、そうだよ』
『だよね!良かった!じゃあ1時間後ね!』
『OK、後でね』
ケータイの画面を閉じて、端末をポケットにしまう。
それにしても1時間か。
やることも特になかったので、軽く散歩でもすることにした。
バッグに必要最低限の物を入れ、手に持って外へでる。
その瞬間、蝉の声と、夏の蒸し暑さが私を支配した
?「!…ねぇ、ちょっといい?」
「…?」
家の前で、見知らぬ男の子に話しかけられる。
年は、小学生高学年くらいだろうか。
?「あんた、能力者だよね?」
男の子は、ぶっきらぼうに、でもどこか大人げのある口調で、私に問いかけた。
ー能力者…か。
心当たりはあるが、本当に私は能力者なのだろうか?
いまいち分からない。
?「…自分の身に異変があったとか、何かがおかしいとか…なかった?」
「あるには、あるけど…」
?「なら僕に付いてきてよ」
そういうと、足早に男の子は歩いて行く。
「ちょっ、ちょっと待ってよ…!私この後予定が…っ」
?「能力のこと、知りたくないの?」
「知りたい…けど」
私は言葉を詰まらせると、少し立ち止まり、俯いた。
?「はぁ…とりあえず来てよ…」
あきれた表情で、男の子は振り返る。
イライラを抑えきれないといった態度だ。
「っ…わかったよ…それより君、名前は何ていうの?」
渋々承知し、男の子に名前を聞く。
?「…ヒビヤ」
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作者名:咲亜 | 作成日時:2015年11月26日 0時