危なっかしい君の隣は【となりの坂田】

隣にいたい 出会い編 ページ3

Aside

私は中学の時に引っ越しをする事になった。

父の都合で転勤となったのだ。もちろん父は前よりも良い位置につけるようになり給料も良くなる。

でも、私には苦痛でしかなかった。

もともと人と関わる事が得意ではないのにまた1から友達を作らないといけない。

そう思っただけで本当に嫌になっていた。

もういっそのこと友達なんて作らなくてもいいのではないか、そんな気持ちが私の中でぐるぐると回っていた。

ついに引っ越し当日。

本当に憂鬱でしょうがなかった。

父を恨んだが父を恨んでもしょうがないことはよく分かっていた。

新しい家に着いた時に新しい自分の部屋を渡してもらえた。

家具の設置などが終わり部屋でひと息ついていたら悲しいような虚しいようなそんな感覚に襲われた。

そしてその日は疲れて寝てしまった。

中学校初日当日。

私は嫌でバックレてしまおうかと考えていたが結局そんなことはできずに学校へ着いてしまった。

担任だと思われる先生に手を引っ張られ教室についた。

簡単な自己紹介をしてくれといわれ教卓の前に立った。

胸がうるさいほどに鳴っているがそんなことは頭にはなかった。

自分の名前とどこから来たかを発表して終えた。

先生からは坂田 優くんという男の子の隣に座りなさいといわれその子の隣に座った。

座る時に坂田くんに声をかけられた。

坂田「よろしくな！ﾆｺｯ」

可愛いような笑顔で話されて私も作り笑いではあるが必死にニコニコした。

学校の授業も終わり下校しようとしていたら

坂田「な！な！一緒に帰ろうや！」

元気に話しかけられたため断れずに一緒に帰ることになった。

聞いたところによると坂田くんと私の家がすごく近いようだった。

坂田「明日の朝迎えに来るからな！」

少し強引だが友達ができるか不安だった私は本当に坂田くんに救われたと思った。
良かった。

次の日の朝、ちゃんと坂田くんは迎えに来てくれた。嘘じゃなかった。そう思うと気持ちが明るくなった。

坂田「おっーす！おはよー！」

A「お、おはよう！」

坂田「お！今日は昨日より元気やね！
寝たら元気になったん？」

私はうんと答えたけど元気な理由はきっと違う。坂田くんが来てくれたことが嬉しいんだよ。私は単純だから。

そんなことを考えていたら

ｶﾞｯ! ﾄﾞｽｯ!

痛っー！

坂田「咲原さん、大丈夫？ほれっ」

そう言って私に手を差し伸べた。坂田くんの優しさに私は少しずつ心を染められた。

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