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「ーーー貴方はスリザリンでしょ?」
「正解。そんな顔しないでよ、僕は寮なんて気にしない」
探し回るドラコの耳に飛び込んできたのは、聞き覚えのある声だった。
声の方向へ視線をやると、スリザリンの一つ上の先輩であるテレンス・ヒッグスが、少女ーーー恐らく真緒と話し込んでいる。
ドラコは、真緒のすぐそばの壁に手をついているテレンスを睨みつけながら、音もなく近づいた。
「おいテレンス、何をしている」
ドラコに背を向けていた真緒は兎も角、余程お喋りに夢中だったのかテレンスまでもが大きく肩を震わせ「うわっ!」と声を上げた。
パッと両手を肩の高さまで挙げたテレンスが口を開く。
「何もーーただ、喋っていただけさ」
「へえ?随分と近い距離に見えたけどねえーー猖佑劉畩径垉劼砲舛腓辰いでもかけてるのかと思ったよ」
妙な威圧感をはらんだドラコの言葉に、テレンスは「まさか、そんなことしない」と早口で言って踵を返して行った。
静観していた真緒がドラコを見つめた。
そしてようやく、まともに真緒を視界に入れたドラコは、思わず一歩下がって口許を隠した。
「…何?」
その行動を不審に思ったらしい真緒が眉を顰める。
さらさらの髪は緩やかなウェーブがかけられ、可憐に結われており、長い睫毛は普段よりも長くカーブしている。
頰はほんのり染まり、おまけに唇はぷるんと艶っぽくキラキラしていた。
肩の出た服からは、華奢な鎖骨が真っ直ぐ浮き出ており、妙に目が離せない。
「ーーーー…ニホンじゃ、爛泪瓦砲皀ぅ轡腑Ν瓩辰童世Δ鵑世辰討佑─
ドラコの言葉に真緒が眉をあげた。
(不味いーー、動揺して馬鹿にしてしまった)
「喧嘩売ってるの?」
「冗談だーー…イヤリングとブレスレットも着けてるじゃないか」
「ダフネ達が着けていけって言うからーーどうせ似合わないとか言うんでしょ」
ふん、とそっぽを向く真緒の髪が揺れる。
顔が見えなくなり、少しだけ余裕が生まれたドラコは「似合ってるよ、僕が選んだんだからな」と軽口を叩いた。
「何それ」
真緒が「自信過剰すぎ」とクスクスと笑いながらドラコに向き直る。
その笑顔に、思わずドラコの目が泳ぐ。
「気分が悪いんだろう?ほら、水と甘いものを持ってきてやったから、こっちで座ると良い」
動揺を隠すために、真緒を座れる場所へと誘導した。
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます! (2022年3月23日 17時) (レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます!意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります! (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃマルフォイカッコいいです!応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M.S | 作成日時:2020年1月16日 23時