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十月に一方的に怒られた時もそうだったが、ドラコには真緒の怒りのスイッチがよく分からなかった。
掴んでいた腕は離して、未だお怒りの真緒の目の前にバレッタが突き出して「返してやる」と伝えた。
(これで少しは態度も軟化するだろ…)
だが、ドラコの予想は大きく外れ、バレッタを一瞥してもぎ取った真緒は、チョコを食べているクラッブとゴイルの間をすり抜けた。
「あ、おい！何で逃げるんだ！返してやったじゃないか！」
ドラコの声に真緒は立ち止まって振り返った。
険しい顔だ。
「返してやるって何？物を盗って謝りもせずに、偉そうにする人とは話す気になれないわ！」
真緒は声を張り上げてドラコに背を向けると、彼女の目の前で待ち構えていた小人が声を上げる。
これは引き留められそうだ、とドラコは思った。
「真緒・土御門！貴女にメッセージがあります！」
真緒がすり抜けようとするが、小人は鞄を掴んで離さない。
ドラコは羽ペンを急いで取り出し、羊皮紙の切れ端に�爐瓦瓩鶚瓩判颪い拭�
そしてチョコを食べる二人を置いて、真緒へと駆け寄り再びその腕を掴む。
「謝ったら、無視しないのか？」
小人に押し付けられたカードを真緒が鞄に仕舞い込むのを見ながらドラコは言った。
彼女のローブのポケットに紙切れを滑り込ませる。
「離してよ」
「離したら逃げるだろーーいい加減っ…」
「いい加減、何？」
「ーーー、何でもない」
腕を掴む力が緩んだことで、真緒がドラコに背を向けて走り出した。
(いい加減、前みたいに話せるようになりたいのにーーー…)
譲ったり、謝ることは嫌いだ。
負けを認めることも。
けど、何故だか真緒に対しては、それが徹底できない。
年下だから、とか頑固でどうしようもない奴だから、とか自分の中で理由をつけて。
「くそっ…」
手渡しする筈だったバレンタインカードは、仕方ないから梟で送るしかあるまい。
苦労してかけた形状変形呪文。
カードを一瞥して溜息をつくと、ドラコは梟小屋へ向かう。
わざわざこんなことするのは、多分、真緒の笑顔がとびきり可愛くて、それを自分に向けて欲しいからだ。
けれど、その気持ちが何なのか、ドラコは分からなかった。
周囲のスリザリンの女子生徒にも、まして他寮の女子生徒相手に、何かをしてやろうと思うことは無かった。
なのに真緒はーーー
(何も知らずに、いつもいつも僕のことを振り回す…)
fin.13
14-1:王子様のバレンタインカード→←13-1:意地っ張りはどっち��
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
