16-1:学年末 ページ7
ぼやけている真っ白の天井。
瞬きすると、溜まっていた涙が零れた。
「目覚めましたか、身体の調子は？」
「…だ、大丈夫です。あの…一体私…」
記憶を辿る。
薔薇の花。
手紙。
梟。
そして、窓硝子に映った姿。
「そう、蛇だわ！」
「そうです、貴女も石にされていました。さあ、これをーーー飲み干したら、大広間で宴会をしていますから、行ってくると良いでしょう」
マダムポンフリーの言葉をききながら、ゴブレットの薬らしき液体を飲み干す。
サイドテーブルには沢山のお菓子等のお見舞いの品が山盛りになっていた。
思わず笑みを浮かべつつ、ゆっくりとベッドから降りた。
眠りすぎたような、そんなぎこちない身体を動かして大広間へと向かった。
扉を開けると、全校生徒の活き活きとした顔が目に入った。
真夜中にも関わらず、わいわいと賑わっている。
「「真緒！！」」
双子の声がした。
二人の両腕に飛び込んだ。
「フレッド！ジョージ！」
「真緒！」
ハリーとロンにもハグをして、涙をぽろぽろと流して真緒に両腕を広げたジニーを一際しっかりと抱きしめた。
「真緒っ、ごめんなさい、私のせいなの！」
「ジニーってば、そんなに謝らないで」
「真緒！こっちに座りなよ！」
コリンの手招きに従い席について、ジニーの背中をさする。
ぐずぐずと泣いているジニーをコリンとともに慰めていると、じきにハーマイオニーも大広間に飛び込んできた。
ハリーとハグしてロンと握手する様子を視界の片隅に収めつつ、生徒全員が整ってから発表された試験は取りやめの発表に真緒は歓喜した。
＊
宴会の日を境に、ホグワーツに活気が戻った。
だが一人、覇気のない者がいたーーードラコだ。
ハリーから秘密の部屋の中での出来事と、ドラコの父親が一枚噛んでいて、理事を退任したという話を聞いて真緒は合点がいった。
あっという間に残りの日々が終わって、気付けば列車に乗って帰る日になっていた。
「ねえドラコ！」
石から元に戻ってからの短い期間、結局ドラコは一度も真緒に話しかけたり、嫌味を言いに来ることはなかった。
「…何だ」
クラッブとゴイルもおらず、ドラコ一人だ。
「お見舞い、ありがとう」
お見舞いの品の中には、ドラコのイニシャルのメモ付きのチョコレートが沢山入っていた。
「…僕の言うことを聞かないから、石にされたんだ」
「うん、ごめんね」
「…別に」
やはり、元気がない。
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
