プラチナの王子様 (ページ6)

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「レイブンクローか、スリザリンが良い」

短い時間ながら悩んだ末の決断だ。

「ほう…どちらでもやっていけるだろう」

「お母さんは、どこだったの？」

「ふむーーー…そうか…いや、しかし君の資質自体は寧ろ…

グリフィンドール！！！」

真緒の希望も質問も完全に無視され、帽子が声を張り上げる。

唖然としつつ、湧き上がる大歓声に迎えられながら、真緒は席に着いた。

「宜しくね、2年のハーマイオニー・グレンジャーよ」

向かいにいた栗色の少女に声をかけられ、真緒は自己紹介した。

「君って東洋人？」
「あ、はい。けど、母はイギリスでーーハーフです」
「アジアのどこだい？」
「えっと、ニホンです」

赤毛の双子達の質問責めにあい、しどろもどろで答える真緒。
(きっとこの人達がジニーのお兄さんだ…！)

「「ヤマト、ナデシコだ！！！」」
「とっても可愛いって皆騒いでたわ」

「まさかーーこっちじゃ珍しいだけで…」

真緒が赤くなって首を振ると、人影が近づいた。

「ふふ、可愛い。私パーバティ・パチルよ」

黒髪で褐色肌の少女が手を差し出す。
真緒は両手で握手をしていると、それを皮切りに他の生徒達とも自己紹介する流れとなった。

(こんなに沢山覚えられるかしら…)

少しして、ジニーが無事にグリフィンドールにやって来て真緒の隣に座った。

「ねぇ、ハリーとロンは？」
「いない」
「みてない」
「寝過ごしたのかも」

双子達がにやにやとしながら言っていると、ダンブルドアが立ち上がった。

「新任の先生の紹介をしよう」

ギルデロイ・ロックハートの紹介があって、宴が始まった。

真緒達は、目の前に現れた豪華な食事にありついた。

授業の話や、クィディッチの話、そしてジニーからハリーの話を聞きながら食事を進めるが、そのハリーも、お兄さんのロンも一向に現れなかった。

食事の後のデザートもボリュームがあり、あまり喉を通らなかったので、紅茶を飲みながら皆の話に相槌を打っていた。

「校長先生がいないわ」

不意に、弾かれたようにハーマイオニーが言った。

「マグゴナガルも、それにスネイプもいないな」
「こりゃ、ハリー達、何かやらかしたんじゃないか」

双子達がにやにやと笑いながら言うと、ポン！という小気味良い音と共に、小柄な男が宙に現れた。

「ご明察！」

グリフィンドール生の頭上で、にたにたと笑みを浮かべている。
ジニーの兄で監督生のパーシーが、顔をしかめた。