プラチナの王子様 (ページ37)

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コリンと共にジニーも外出していたと知るのは真緒ただ一人だったが、本人さえも覚えておらず、怯えきったジニーを前に、他の人に言うことは到底出来ずに胸に留めた。

ジニーと真緒の様子は、コリンが石にされたショックだと周囲には取られたようで、皆が励ましの言葉をかけてくれた。

双子に至っては、毛むくじゃらになったり色んな魔法をかけて銅像から飛び出してひっきりなしに二人を驚かすという励まし方を実行したが、パーシーがカンカンに怒って止めさせた。

護身用のグッズが出回るようになり、中でもネビルは様々なものを買い込んでいた。

「君は純血だろ？」

談話室でチェスをしていたシェーマス達に笑われたネビルは、神妙な面持ちを崩さずに口を開いた。

「だって僕スクイブだもん」

「えっ、スクイブも狙われるの？」

思わず真緒は口を挟んでいた。
ネビルを含めた2年生達の目が一斉に集まる。

「最初に狙われたのはフィルチじゃないか」

ネビルは恐怖の色を隠さずに真緒に言った。
「真緒はスクイブでもマグル出身でもないから大丈夫だよ」という羨ましそうな声に、真緒は思わず苦笑いをうかべた。

「私も、似たようなものだけどーー」
「え？そうなの？」
「でも君ってマホウトコロ出身だろ？」

ロンが身を乗り出して質問してきた。

真緒はこっくりと頷いて口を開いた。

「魔力が発動するのが遅くて、一年遅れて入ったの」
(だから向こうでは劣等生なんだよね…)

悲しい事実は触れずに、さらりと言うと、皆は驚いたようだった。

「君って成績良いから、まさかスクイブだったなんて！」
「ロン！日本では入学年齢が早いから、真緒みたいな場合もあるのよきっと、ね？スクイブじゃないわ」

真緒は曖昧な笑顔でハーマイオニーに頷いた。
自分のようなパターンをあまり周囲で聞いたことは無かったが、黙っておくことにした。

何れにせよ、スクイブの話は衝撃を与えたようで、上級生から護身用のお守りやグッズをたんまり与えられた真緒は、女子寮の自室でジニーに目を丸くされるのだった。

「ーーーそれ、本当なの？」

談話室での話を伝えると、ジニーは真っ青になって聞いてきた。

「ええ、別に今は問題ないけどね」

真緒はにこやかに言ったが、ジニーの顔色は戻らなかった。

(どうしよう…真緒がスクイブだなんてーー…)

今度は真緒を襲うかもしれない、とジニーは不安で押しつぶされそうだった。