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真緒がスクイブだったと知ったジニーは、真緒から距離を取るようになってしまった。
突然のことに戸惑う中、掲示板に張り出されたのは犒萋クラブのお知らせ瓩箸いΔ發里世辰拭
「ジニーも、行く?」
少し離れたところにいたジニーに声をかけに行くと、ジニーは肩を震わせて真緒を見た。
「え、えぇ…」
すっと目を逸らされ、駆け出していった。
真緒はどうしたものかと思いながら、「待って」と後を追った。
結局見つけられず、その日の決闘クラブに行くのはやめておいた。
*
決闘クラブの翌日、ハリーがパーセルマウスで継承者だという噂を朝から耳にした真緒は、顔色の悪いジニーを視界の片隅に朝食をとっていた。
「真緒」
「もしかして」
「ジニーと」
「「喧嘩したのかい?」」
「してないわ」
両脇を挟んで座ってきた双子に真緒は頰を膨らませた。
「私がスクイブだった話を聞いて、急に距離を取られてるの」
「「何だって」」
双子は驚いた様子で真緒を見た。
「優秀な」
「ヤマトナデシコが」
「「まさかのーー」」
「静かにしろ!」とパーシーが怒鳴った。
双子は顔を見合わせ、肩をすくめ、真緒の頭をぽんぽんとして立ち去った。
パーシーは、空いた真緒の隣にジニーの手を引いて連れてきた。
「ジニー、仲直りするんだ」
「喧嘩じゃないわ…」
「真緒も、ジニーの側にいてやってくれ」
「私はそうしたいわ」
弱々しいジニーの手を握って、パーシーに語気を強めて言った。
「仲良くするんだぞ」
パーシーは念押しするように言って、授業へと向かって行った。
真緒もジニーと共に飛行術への授業へ向かったが、どうも昨晩からの大雪で、外での授業は全て自習に変わったらしい。
「ジニー、図書館に行かない?」
空き時間を利用して、ジニーを苦しませるこの不可解な事件を調べようと思った。
秘密の部屋について大いに校内の噂になった当初に比べ、今は調べ物もしやすい筈だ。
断られた真緒は一人で図書館へと向かった。
「やあ、真緒じゃないか」
図書館で数冊の本を抱えて歩く真緒の背後から気取った声がした。
ドラコだ。
「今、私忙しいの」
無視して通り過ぎようとしたら、ぐいとポニーテールを掴まれて転びそうになる。
抱えていた本と上に載せていた手帳が腕からばさばさと落ちる。
慌ててマダムピンズを確認して、小声ながら不機嫌さを隠さずに文句を言った。
「何するのよ」
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作者名:M.S | 作成日時:2019年10月13日 11時