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8-3 ページ38

真緒がスクイブだったと知ったジニーは、真緒から距離を取るようになってしまった。

突然のことに戸惑う中、掲示板に張り出されたのは犒萋クラブのお知らせ瓩箸いΔ發里世辰拭



「ジニーも、行く?」


少し離れたところにいたジニーに声をかけに行くと、ジニーは肩を震わせて真緒を見た。

「え、えぇ…」


すっと目を逸らされ、駆け出していった。
真緒はどうしたものかと思いながら、「待って」と後を追った。

結局見つけられず、その日の決闘クラブに行くのはやめておいた。








決闘クラブの翌日、ハリーがパーセルマウスで継承者だという噂を朝から耳にした真緒は、顔色の悪いジニーを視界の片隅に朝食をとっていた。


「真緒」
「もしかして」
「ジニーと」

「「喧嘩したのかい?」」

「してないわ」


両脇を挟んで座ってきた双子に真緒は頰を膨らませた。


「私がスクイブだった話を聞いて、急に距離を取られてるの」

「「何だって」」


双子は驚いた様子で真緒を見た。


「優秀な」
「ヤマトナデシコが」
「「まさかのーー」」



「静かにしろ!」とパーシーが怒鳴った。
双子は顔を見合わせ、肩をすくめ、真緒の頭をぽんぽんとして立ち去った。

パーシーは、空いた真緒の隣にジニーの手を引いて連れてきた。


「ジニー、仲直りするんだ」
「喧嘩じゃないわ…」

「真緒も、ジニーの側にいてやってくれ」
「私はそうしたいわ」


弱々しいジニーの手を握って、パーシーに語気を強めて言った。


「仲良くするんだぞ」


パーシーは念押しするように言って、授業へと向かって行った。

真緒もジニーと共に飛行術への授業へ向かったが、どうも昨晩からの大雪で、外での授業は全て自習に変わったらしい。



「ジニー、図書館に行かない?」


空き時間を利用して、ジニーを苦しませるこの不可解な事件を調べようと思った。
秘密の部屋について大いに校内の噂になった当初に比べ、今は調べ物もしやすい筈だ。


断られた真緒は一人で図書館へと向かった。



「やあ、真緒じゃないか」


図書館で数冊の本を抱えて歩く真緒の背後から気取った声がした。

ドラコだ。



「今、私忙しいの」

無視して通り過ぎようとしたら、ぐいとポニーテールを掴まれて転びそうになる。
抱えていた本と上に載せていた手帳が腕からばさばさと落ちる。

慌ててマダムピンズを確認して、小声ながら不機嫌さを隠さずに文句を言った。


「何するのよ」

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作者名:M.S | 作成日時:2019年10月13日 11時

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