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「んー、やっぱりマスターの作るカクテルは美味しい。死柄木くんは飲まないの？お酒。」
それ、お茶でしょ？ とグラスを置き、Aは指をさして問う。
酒はたまに飲むこともあるけどそこまで進んで飲みたいと思ったことは無い。
「そんなに飲まない。」
「ここバーなのに？」
「いいだろ、俺が何飲もうがお前には関係ないし」
「こんな腕利きのバーテンダーがいるのにもったいなーい。」
宝の持ち腐れだねぇ？マスター？
なんて、グラスを揺らしながら黒霧に同意を求める。
だが黒霧は求められた同意には応えず、褒められたことに対しての返事を返した。
「腕利きだなんて、そう言っていただけて嬉しい限りです。」
「ほら、マスターだって……っと、はいはい。わかったわかった。」
執拗いなぁ
マスクでこっちの顔は見えないはずだが、俺の雰囲気を察したのかAは途中で口を噤みカクテルを飲む。
カクテルの残りはグラスの半分程になっていた。
───────────────────
「そういえば、今日この近くであったらしいよ、ヒーロー殺傷事件。」
少しの沈黙の後、そういえば、とAが思い出したように口を開いた。
ヒーロー殺傷事件、その言葉に俺も黒霧も反応を示す。
「ヒーロー殺しか」
ヒーロー殺し、ステイン。ヒーローを対象に殺人をしている黒霧が目をつけていたヴィランだ。
少し前、黒霧にあいつをヴィラン連合に引き入れてはどうかと提案された。
だがまだそれは検討中。
ただ、近いうちに顔を合わせることになるかもしれない相手だ。
「そうそう。いやぁ、ヒーローって殺せば死ぬんだねぇ。」
「そりゃそうだろ、ヒーローも結局は人間だ」
感慨深げに言葉を零すAに言う。
そして、何当たり前なこと言ってんだ、と続けようと口を開きかけたその時、異様な雰囲気を感じて口を閉じる。
横を見ると俯いたAがグラスの中を覗き込み黙り込んでいた。
先程までと様子が打って変わったAに思わず目を疑う。
「……そう、人間。結局は人間、皆……でも皆、人間に縋ってる。」
グラスの中を見る瞳は暗く澱んでいて、それはいつもの死んだ魚の目のような、感情も何も映らない瞳とは全く違ったもの。
まるで、普段は瞳の奥に隠していた”何か”が今、表に溢れ出てきているような。
その瞳に酷く心を奪われた。
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りんご同盟 - あっ…好きぃ (11月20日 23時) (
レス) @page35 id: ed24fa5325 (このIDを非表示/違反報告)
星宮暦(プロフ) - わぁ〜！神作見つけてしまった…更新頑張って下さい！応援してます！ (8月22日 0時) (レス) @page25 id: b26f71cce5 (このIDを非表示/違反報告)
11才のバカ - これは追うしかないっしょ！おもろ〜！好みドストライク。桜もちさに更新ガンバってください！ひそかに見学！ (5月9日 0時) (レス) @page17 id: 470dc29d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜もち | 作成日時：2023年3月30日 7時
