1杯目 ページ2
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「そう考えると死柄木くん、今じゃ普通に話してくれるようになったよねぇ。前は私が来たらすぐにどっか行っちゃってたのに」
「毎度毎度しつこく話しかけてくるからだろ。お前が来る度に避けんのも疲れた。」
「わ。私避けられてたんだ。ショック。」
ショックだなんて言う割にはけらけらと口元に笑みを浮かべ、ウルフカットにされたごげ茶色の髪の一房を指でクルクルと弄る。
こっちだってつい2週間前まで、こいつとこんなに話をすることになるなんて想像してなかった。
けど、あの日を境に顔を合わせる回数が多くなり、かと思えばウザったく絡んできやがって。
最初こそ全無視してAが帰るまで外で時間を潰していたがそれも馬鹿らしくなってきて、結果今に至る。
「だーって、マスターに話しかけるのも飽きちゃったし。ここ、絡める客いないし。あ、マスターがつまんないって言ってる訳じゃないよ？」
「だったら、別の店行けば？」
ふざけたような軽い態度をとるAにあしらうように言い放つ。
ここに来ないでくれるならそれは好都合。
そもそもここ飲むための場所じゃねぇし、アジトだし。
ふと喉の渇きを感じて、茶を飲もうとグラスに手を伸ばす。
「えぇー、だってそしたら君と話せないじゃん」
君に会いたいからこの時間に来てるんだよ。
その言葉に伸ばしかけた右手を止め、Aの方を見る。
頬杖をつきながら椅子一つ分向こうにいるAもまた、笑いながらこっちを見ていた。
否、口元は愉快そうに弧を描いていたが、目元はまるで感情が見えず、俺の心の内を見透かしているかのように真っ直ぐこっちを見ていて。本人は笑ってるつもりなのだろうがお世辞にも笑っているとは言い難い顔だ。
そしてAの言ったことが本当なのか嘘なのか、感情を映さない黒みがかった深い赤色の瞳からは読み取れなかった。
「なーんて。それに、ここ落ち着くんだよねぇ。この雰囲気？外とは違う空気っていうの？よくわかんないけど。」
「……あっそ。」
……気にするだけ無駄だ。
止まったままだった右手で今度こそグラスを三本の指で掴むと、顔に着けた”お父さん”を少しずらし、グラスに入った茶で喉を潤す。
ちょうど、Aの前にも赤いカクテルの入った縦に長いグラスが置かれた。
同時にこちらに向けられていた顔はカクテルの方へ向く。
「こちら、デニッシュ・メアリーです。」
「あ、ありがとうマスター。」
半透明な赤色のカクテル。
同じ赤なのに、こいつの瞳とはまるで正反対な色をしてると思った。
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りんご同盟 - あっ…好きぃ (11月20日 23時) (
レス) @page35 id: ed24fa5325 (このIDを非表示/違反報告)
星宮暦(プロフ) - わぁ〜！神作見つけてしまった…更新頑張って下さい！応援してます！ (8月22日 0時) (レス) @page25 id: b26f71cce5 (このIDを非表示/違反報告)
11才のバカ - これは追うしかないっしょ！おもろ〜！好みドストライク。桜もちさに更新ガンバってください！ひそかに見学！ (2023年5月9日 0時) (レス) @page17 id: 470dc29d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜もち | 作成日時：2023年3月30日 7時
