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「はい、カルーアミルク」
差し出されたのはカフェオレみたいな色をした丸いグラスの中に入ったカクテル。
あまりカクテルのようには見えなかった。
「これ甘くてお酒飲みなれてない人でも飲みやすいんだ」
「ふぅん」
その他にもコーヒーリキュールがどーたら、サトウキビがどーたらと、何やら説明をしていたようだが適当に聞き流して1口そのカクテルを口に含んだ。
「ぅ゛っ、辛っ！？」
瞬間、口の中に感じる刺すような痛み。それが辛みだと気づいた頃には既に辛さが口の中に広がって舌がひりひりと痛んだ。
「あっははは！どうどう？美味しい？唐辛子入りカルーアミルク！」
「お前……！！」
一体なんのつもりだよこいつ！
恨めしそうにAを睨みつける。笑いの波が収まってくると、目尻に溜まった涙を指で拭って今度はいつもの調子で笑った。
「あっは、他人が出した飲み物を警戒せずに飲むのは感心しないなぁ」
違うコップに水を汲んで差し出す。それを受け取って直ぐに飲み干したが飲み干しても口の中の痛みはまだ消える気配は無い。
なんなんだよ、警戒もクソもないだろ。そもそもこれはAが──
「それとも、私のだから飲んでくれたのかな？」
心を見透かされたような気分になり思わず息を飲む。
動揺する俺にさらにAはカウンター越しに詰め寄って、
「でも、もしこれが毒だったら……死柄木くん、今頃死んでるよ？」
なんて、薄ら笑いを浮かべながらいつもより若干低い声で諭すように言うAが、少し恐ろしく感じたのはきっと気のせい。
「……なーんて、昨日の仕返しだよ。仕返しされたからそれの仕返し。女の子にあんな事したら、勘違いするんだからさ」
「それ全くブーメランなの、知ってるか？」
「ってことは、死柄木くんもちゃんと私の事意識してくれてるんだ？」
意識していないと言えば、正直嘘になる。だが、こいつの思惑通りと思われるのが癪でそっぽ向いて短く言った。
「……してない」
「……あっは。そっか、ザンネン。」
俺の応えにAは寂しげに眉尻を下げた。
これ片付けちゃうね、と唐辛子が入ったカクテルのグラスを下げようと手を伸ばす。
「勘違いして欲しくてやってるんだけどな。私。」
「は？」
「私は君に興味を持ってもらいたい」
まだ中身の入ったカクテルをシンクの上で逆さまにして流してしまう。
「そして私も君に興味がある」
空になったグラスをコトリ、と置いてこちらに顔を向けた。
「君は、私の気持ちを分かってくれる気がするから」
その時、Aの自然で穏やかな笑みから俺は目が離せなかった。
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りんご同盟 - あっ…好きぃ (11月20日 23時) (
レス) @page35 id: ed24fa5325 (このIDを非表示/違反報告)
星宮暦(プロフ) - わぁ〜！神作見つけてしまった…更新頑張って下さい！応援してます！ (8月22日 0時) (レス) @page25 id: b26f71cce5 (このIDを非表示/違反報告)
11才のバカ - これは追うしかないっしょ！おもろ〜！好みドストライク。桜もちさに更新ガンバってください！ひそかに見学！ (2023年5月9日 0時) (レス) @page17 id: 470dc29d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜もち | 作成日時：2023年3月30日 7時
