【忍たま】私は久々知くんが。【久々知兵助】

俺の好きな人 ページ4

久々知side



兵助「はぁ……」




夜、部屋の灯りをぼうっと見つめながら
溜め息をひとつ吐いた。




尾浜「何だよ、溜め息なんて吐いちゃって」




うどんのような髪を垂らして、
ニヤニヤとこちらを見ている勘右衛門。




兵助「いや……」



尾浜「Aだろ。良かったなぁ今日は」



兵助「うん……まぁ」




同室の勘右衛門だけが知ってるんだけれど、

何を隠そう、



俺はAAが好きだ。





普段なかなか会う機会がないから、
Aが火薬庫に用事で来たときなんかは
内心めちゃくちゃ喜んでいる。




そして今日は、
まさかAに豆腐料理を食べてもらえるとは。




尾浜「兵助の割烹着姿見て、
　 可愛い！って言っていたっけ」



兵助「それだよ、かっこいいって
　 思われたいのになぁ」



尾浜「まぁいいじゃないか。
　 美味しそうに食べていたし」




そうそう、
美味しそうに食べる姿がまた可愛くて……
口元にソース付けちゃって。




兵助「可愛かった……」




枕を抱きしめて、布団に転がる。
すると名案を思いついた！




兵助「そうだ！豆腐料理を頻繁に振る舞う！」




がばっと勢いよく身体を起こして言うと、




尾浜「やめておけ！嫌われるぞ！」



兵助「えっ」




すごい形相の勘右衛門に、全力で止められた。




尾浜「あ、……おほん。いや、たまに作るから
　 いいんじゃないか？ そういうのは」



兵助「そういうもん？」



尾浜「そういうもんだ。そういえば兵助の手ぬぐい、
　 Aが洗ってくれるんだろ？」




そうだ、そのままで良かったのに
洗ってくれるって……悪いなぁ。




尾浜「とりあえずは、
　 また話すキッカケは作れるってやつだ」



兵助「……そうだな」






Aは学級委員長だから、くの一教室だけじゃなく、わりとこちらの忍たま側とも行き来をしている。



ただ、用事がなければ来ないし
済めばすぐにくの一教室に戻るし



なかなか会えないし見かけない。





尾浜「休みの日に食事にでも誘えば？」



兵助「豆腐料理を食べに？」






尾浜「嫌われてしまえ」

目が死ぬ→←ちょっとうるさい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す