【忍たま】私は久々知くんが。【久々知兵助】

ちょっとうるさい ページ3

you side



調理場にいる久々知くんの背中を見つめながら、
尾浜くんの話を聞く。



いや、聞いてない。流してる。



だって素敵すぎる。可愛すぎる。
割烹着姿の久々知くん……





尾浜「……なぁ、聞いてる？」




尾浜くん、ちょっとうるさい。




『えー、聞いてない』



尾浜「聞いてよ。
　 兵助が、豆腐料理作ってくれるんだってば」



『え、そうなの？』




いいなぁ、久々知くんが作った豆腐料理……






兵助「よ、よかったら……」




目の前に、ずらずらと並べられるお皿。
全部、豆腐料理だ。



『これは……』



兵助「よかったら、Aも食べてよ」




久々知くんは照れくさそうに頭をかいた。




『い、いいの？！すっごく美味しそう！』



兵助「勿論！どうぞ、召し上がれ」



尾浜「俺も、いただきまーす！」




尾浜くんは勢いよく豆腐料理に手を伸ばす。
私もそうしようと意気込んだんだけれど……


目の前に座る久々知くんが、頬杖をついて
私を凝視している。



にこにこして！
にこにこして、私を見ている！




『あ、あの……』



兵助「どうしたの？」



『あんまり、見ないで……』




恥ずかしくって、食べられない。




兵助「ごご、ごめんっ！」



尾浜「あれぇ？もしかして兵助ってば、
　 Aに見惚れてたのー？」



兵助「ばっ……！うるさい勘右衛門！」



尾浜「あっはっは」




久々知くんと尾浜くんがやいやい言い出したので、
その隙に豆腐料理を口に運ぶ。




『………お、美味しいっ』




どれもこれもとっても美味しいし、
久々知くんが作ったと思うと余計に美味しい。


ふたりを他所に夢中で食べていると、
私に気付いた久々知くんがぷっと吹き出した。




『なななな、なにっ』



兵助「美味しそうに食べてくれて、嬉しいよ」




そう言って久々知くんは、
手ぬぐいを取り出して私に差し出した。




兵助「ここ、付いてる」



『付いてる？』




言われたところを拭くと、
真っ白な手ぬぐいにソースが付いた。





『ご、ごめんなさい！洗って返すから！』





慌てふためく私に、




兵助「気にしないでくれよ」






なんて笑顔で言う久々知くんが眩しい。

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