[名前変換オリ] another life n' love part2

−99− ページ49

言葉に表せないような感動に、涙腺が緩む。

(人1)は優しい顔で私を見上げる。

「人間で言うところのプロポーズだぜ。返事は？」

それは、不意打ちの歓び。

――愛されている。

彼の愛情が、ひしひしと伝わってくるんだ。
心が暖まるだけじゃなくて、まわりの空気まで暖かくなっていくくらい幸せな感情。
愛されるって、こんなに幸せなことなんだね。

私はただただ嬉しくて、自然と顔が微笑みに変わっていくのを感じていた。
気持ちが、愛に満ちている。

「――はい」

丁寧な口調で答え、彼の手を両手で握り締めた。
(人1)が立ち上がり、私の身体を抱きしめる。

「おれ初めてだけど、多分すごいよ？」

いつもの口調に戻った(人1)は、そう言ってにやっと笑った。

冗談なのか本気なのかはわからないけれど、そんな言葉に気持ちがくすぐったい。
だけど(人1)と見つめ合うだけで、微笑み合うだけで――幸せな気持ちになれるんだ。
ふたり一緒にいれば、どんな時も大丈夫な気がする。
(人1)となら、ずっと一緒に歩いていけるよ。

だから、これからたくさん愛し合おう――。

私たちはどちらからともなく、顔を近づけて目を閉じた。
唇が触れ合う。
重ねた唇は、愛情の印。

「――好き、だよ。A？」

「私も、好き…」

愛の言葉を囁き合って。
そして、そのまま――抱き合おう。

素肌で体温を感じたら、あなたをもっともっと好きになる。
あなたは私を、もっともっと好きになる。

いつまでも終わらない愛を誓って身体を重ねよう――。
そして私は、人間から死神へと生まれ変わる。

(人1)に出会えてよかった。
どうやって彼と知り合ったのか、どうして私が死神になるのかなんて、そんなのよく覚えてないし、どうでもいい。
ただ(人1)と一緒にいるためにはこうするしかなかったに違いない。
何も覚えていないけれど、後悔なんてしていない。

(人1)の綺麗な顔と、優しい声と、熱い身体から。
永遠に私を愛して、守ってくれるって伝わってくる。
もうそれだけで、いい。
ずっと一緒にいられれば、それでいいんだ。
繰り返すキスも抱擁も、愛の言葉も、全部が幸せだよ。

もし死ぬ時が来るとしたら、私は一番最後に(人1)の優しい笑った顔が見たいと思った。


私が選んだ――もうひとつの 生き方 と 恋。

――――――― another life and love.


＊＊＊＊＊＊ END ＊＊＊＊＊＊

あとがき→←−98−

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す