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振り向くと数人の屈強な男達がいた。
里を全滅させたつもりだったが、殺し漏れがあったようだった。
「オレたちの里を……
大切なモノをっ!」

"大切なモノ"

この言葉が聞こえて、動きが止まってしまった。
グサッ
貴「!!」
鳩尾近くにナイフが突き刺さる。
その痛みで我に返ったが動きが遅れてしまい腕、太ももと刺されてしまう。

心臓にナイフを突き立ててこようとする男達の背後にまわり、刀を刺した。

"大切なモノ"

何人もの大切なモノを奪ってきた。
今更罪もクソもない。
けれど、本当にこれでいいのか、と思ってしまった

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

貴「主……人、ご無事、でしたか」
船に戻ると主人の部下達が船に里から盗ってきたであろう金銀財宝を積み込んでいた。

いつもならありったけ積んでいるが、先程の襲撃のように残党に襲われる事を恐れてか、小型で高価そうなものしか積んでいなかった。

主「これは積んでいけ。高値で売れる。これとこれは……置いてけ。」
主人はそんな事を言いながら私をチラッとみると
主「殊里も捨ててこい。」
といった。

貴「え……なんで、」
主「太もも、腕、鳩尾近くから出血。
いくら闇兎とはいえ助かるまい。わざわざ治療するのも惜しい。また買えばいいだけの話だ。
おい、お前コイツを捨ててこい」

主人に命令された男は呆然として動けない私を乱暴に掴んだ。

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うさきよ - 面白いです‼ (5月7日 20時) (レス) @page4 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のここ | 作成日時:2021年1月30日 21時

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