226話 ページ45
ジャックside
ジャック「す、すげぇ…。」
思わず口から感嘆の声が出た。
目の前で行われる大掛かりな魔法に、俺は素直に感心する他なかった。
新入生の間で噂のA・フィンズ先輩。
その噂は殆どが馬鹿らしくていい噂では無かった。
初めてA先輩を見たのは、3階からバンジージャンプをしている所だった。
紐の長さを誤ったのか、校舎の窓に激突していたのを覚えている。
噂通りおっかねえ先輩だとは思ってたが、まさかあそこまで馬鹿だとは思っていなかった。
最初は馴れ合うつもりなんてさらさらなかったが、どれだけ問題を起こしても退学にならないという魔法の手腕が気になった。
それは俺が思ったよりも凄くて、俺との実力差は桁違いだと思い知らされた。
『こんなのちょちょいのちょいよ。』
鼻の下を擦るA先輩は、直した壁を見上げては軽く鼻で笑った。
ジャック「まさかこんなにすげえ先輩だとは…。」
『レオナサンのお墨付きだからね。』
レオナ先輩のお墨付きとあらば、その実力は確かなのだろう。
レオナ「誰のお墨付きだって?」
A先輩の後ろから聞き覚えのある声がして、一緒に振り向く。
そこには顔を顰めたレオナ先輩の姿があった。
『だからおじタンのだって。』
A先輩がそう言うと、レオナ先輩はA先輩の頭をガシッと掴んだ。
『俺の頭好きだね。』
レオナ「好きで掴んでんじゃねェよ。」
ぐぐぐ、と手に力を入れて、A先輩の頭からはミシミシと音がした。
大丈夫か…………?
レオナ「ったく、こっちはお前の分身の子守りで大変だったんだぞ。歯の1本くらい置いてけ。」
『強引なストーカーじゃん。』
レオナ「誰が好きでテメェのストーカーになんかなるんだよ。」
『ルークサン。』
レオナ「ああ……。とりあえず、直したならさっさと出てけ。」
何故か一瞬納得したような顔をして、A先輩から手を離すとシッシッ、とA先輩を追いやった。
『ええー……せっかくだからお茶くらい出してよ。』
この人、すげえ根性あるんだな…。
寮長相手にここまで図々しい人は初めて見た。
仲がいいのか?
レオナ「はぁ?誰もテメェなんざ歓迎してねえんだよ。……おい、そこの1年。」
ジャック「ウッス!」
話を聞いていたら、俺が呼ばれたので返事を返す。
レオナ「コイツの相手しとけ。俺は寝る。」
1583人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桃(プロフ) - イグニコールめためた面白くてゲラゲラ笑ってましたww小説でこんな笑ったの初めてですw応援してます! (5月17日 0時) (レス) @page4 id: 6a25fafd93 (このIDを非表示/違反報告)
怜央(プロフ) - オルト君がオバブロするのもすごいのにカーチェイスで戻すなんてさらにすごい…。やっぱり、作者様の脳内は私の考えなんて足元にも及ばないほど面白いですね。好きです。 (2023年4月6日 21時) (レス) @page46 id: 8acdf4d0f3 (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - オクタ回収…。す…すげぇや姉貴…(?)(小並感)自分のペースで、どうか無理だけはせず…。ツムツム頑張ってください! (2023年4月6日 1時) (レス) @page45 id: 3f9059dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
ポラリん。(プロフ) - オクタ回収出来たんですか!? ヴァネッサさん出たけどオクタ未だゼロです、、頑張ってください! (2023年4月5日 3時) (レス) @page44 id: 7cbb01627a (このIDを非表示/違反報告)
hareotomiya0108(プロフ) - ツムツムなら仕方ないですよね頑張ってください! (2023年3月31日 3時) (レス) @page42 id: cc5d6355d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:トマトマヨトマメトマト | 作成日時:2023年3月22日 12時