192話 ページ11
Noside
学園内に、二つの雷が轟く。
ひとつは、学園長であるクロウリーの雷が。
そしてもうひとつは、
クル「何をどうしたらこうなるんだ!!!お前は窓拭きというものを知らないのか?駄犬!!」
『まあなんだろう、価値観の違いじゃないかな…?』
クル「シャラップ!!!」
ビシィッ!と教鞭が振りかざされる。
それ俺に当たったら体罰だかんな。とAは冷や汗をかく。
クル「はぁーーー……まずは全て元に戻せ。話はそれからだ。いいな?」
眉間を抑えるクルーウェルに、Aはワン。と返事を返す。
クルーウェルはAが魔法で窓を綺麗にしていくのを見届ける。
この調子で魔法だけは一丁前に上手いものだから、クルーウェルは更に腹を立てる。
何故他のことにその才能を発揮しないんだ…。
そしてものの数十分で、全ての窓を元に戻した。
クル「いいか駄犬。お前が退学にならない理由は、その魔法の手腕だ。これからもしっかり磨くことだな。」
もしここまで完璧に戻せなかったら、学園長は即刻退学を命じていただろうと、クルーウェルは窓を見つめる。
『デイヴィスセンセー。俺頑張ったからなでなでしてよ。』
目を期待で膨らませるAに、クルーウェルはため息を着く。
クル「お前はマイナスを元に戻しただけで、特別何もしていないだろう…。褒美は授業で成果を見せた時までお預けだ。あとファーストネームで呼ぶな。」
何度目か分からないファーストネームへの指摘は、もはややめさせる気は毛ほども起きなかった。
『え〜〜〜。』
口を尖らせるAに、クルーウェルはまた教鞭を振りかざす。
クル「バッドボーイ!まずは褒美より罰だ。これで全て許されたと思うなよ?」
いつものように反省文と、魔法薬学に関するレポート用紙を渡される。
クル「完成したら渡しに来い。その代わり、このことは学園長には黙ってやる。精々きちんと課題をこなすんだな。」
クルーウェルは踵を返して、職員室へと戻る。
なんだかんだ、俺もあの駄犬には甘いかもな……。
Aの期待に膨らんだ目を思い出しては、頭を横に振ったのだった。
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桃(プロフ) - イグニコールめためた面白くてゲラゲラ笑ってましたww小説でこんな笑ったの初めてですw応援してます! (5月17日 0時) (レス) @page4 id: 6a25fafd93 (このIDを非表示/違反報告)
怜央(プロフ) - オルト君がオバブロするのもすごいのにカーチェイスで戻すなんてさらにすごい…。やっぱり、作者様の脳内は私の考えなんて足元にも及ばないほど面白いですね。好きです。 (2023年4月6日 21時) (レス) @page46 id: 8acdf4d0f3 (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - オクタ回収…。す…すげぇや姉貴…(?)(小並感)自分のペースで、どうか無理だけはせず…。ツムツム頑張ってください! (2023年4月6日 1時) (レス) @page45 id: 3f9059dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
ポラリん。(プロフ) - オクタ回収出来たんですか!? ヴァネッサさん出たけどオクタ未だゼロです、、頑張ってください! (2023年4月5日 3時) (レス) @page44 id: 7cbb01627a (このIDを非表示/違反報告)
hareotomiya0108(プロフ) - ツムツムなら仕方ないですよね頑張ってください! (2023年3月31日 3時) (レス) @page42 id: cc5d6355d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トマトマヨトマメトマト | 作成日時:2023年3月22日 12時