質疑応答�� ページ14
『いくつなの？』
質問をせがむ彼は私の次の言葉を待っている。
なんやかんやと考えるのはやめにして、気になっていたことを聞くことにした。
「17だ。9月で18になる」
何回驚かされればいいのだろう。
まさか、まさか年下だなんて。
夢にも思わなかった。
思わず絵に描いたような驚愕の表情を浮かべてしまうと彼は不思議そうに首を傾げた。
「Aも同じくらいと聞いていたが」
ラファエーレさんに、だろう。
たしかに、この国の同い年の女性と比べたら幼く見えるのは仕方がない。
しかし、だ。
妙齢の女性にとって５つの年の差は大きい。
ここが日本なら私は未成年を連れ回す悪女として噂が広まっているだろう。
『私は…今年、23になるわ』
言いにくくはあったが、素直に答えた。
今度は彼が目を丸くしていた。
「23には見えなかったな！いや、もちろんいい意味で、だ」
『いいの。日本でもよく幼く見られてたから。あなたこそ……外見もそうだけど、とってもしっかりしてるからすっかり年上だと思ってた』
「褒め言葉ととるよ、ありがとう」
お互いに顔を見合わせてふふ、と笑い合う。
誰かと笑い合うなんていつぶりだろう。
彼も、私を忘れるかしら
一瞬だけそう思うとチクリと胸が痛んだ。
それからもゆっくりと散歩をしながら、お互いにたくさん話をした。
美味しいジェラテリアとか、センスのいい雑貨屋とか、この街のこともたくさん教えてもらった。
ゆっくりゆっくり歩いていたつもりだったけれど、いつのまにか辺りは夜を迎え始めていた。
「暗くなってきたな。宿まで送ろう」
きっと彼は日没の時間を計算して私の宿に近付くように歩いていたのだろう。
そこはすっかり見覚えのある街並みだった。
『ありがとう……』
今日は素直に受け入れる。
自分でも驚くくらい楽しかったからだ。
別れが惜しいほどに。
宿に近付くにつれ、元々ゆっくりと歩いていた歩調が心なしか更に遅くなる。
遅くしようと意識しているわけではない。
段々一歩、二歩、と遅れる私を彼が少し振り返る。
大丈夫、と笑ってすぐに追いつこうと急いで一歩踏み出すと、ぬかるみに踏み入れたようにぐにゃりと足元が歪み、視界が反転した。
彼の顔色が一気に変わっていくのを最後に記憶が途絶えた。
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おまきまお(プロフ) - 。さん» それこそ数多の素敵な作品の海から見つけ出して下さってありがとうございます！！本当にお言葉ひとつひとつが嬉しすぎて。様に読んで頂けたことがわたしは何よりも嬉しいです。書き上げて良かった…！！(泣)そしてチャララティギルティ…語呂がよすぎて思わず笑いました (2021年1月28日 3時) (
レス) id: e365e09243 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 数多くある作品の中で、この作品に出会えた事が何よりも嬉しいです…。夢主ちゃんの心の強さやブチャラティの優しさとか、2人の距離感がとても好きでした。本当に、素敵な時間をありがとうございました！チャララティ…ギルティですね(唇噛み締め) (2021年1月25日 2時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
おまきまお(プロフ) - さくらんぼ＆チェリーさん» 感想ありがとうございます！そうなんです、このまま原作通りにいってしまうとどうしてもハッピーエンドにはならないんですよね……わたしもなんとか夢主ちゃんを幸せにしてあげたいので試行錯誤しているところです。また暇つぶしのお供に読んで頂けたら嬉しいです。 (2019年9月15日 0時) (レス) id: e365e09243 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ＆チェリー - この後ブチャラティは死んじゃって、死んだのを知っても悲しむんだろうな。それとも、夢主ちゃんはそれを知らずに待ち続けるんですかねぇ･････？どう転んでも私の頭じゃハッピーエンドにならない。つながらない･････。すごく素敵な作品でした。 (2019年9月13日 17時) (レス) id: ced51d468f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おまきまお | 作成日時：2019年5月25日 16時
