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少し低めの岬。
見渡す限りのオーシャンビュー。
それは、ベンチから直ぐの距離。
見おろすとすぐ側で波打ちの様を感じれる。
「零君、どうしたの？？」
「...A、」
先程よりも、さざ波が強く響く。
「...その..」
「零君？」
「...妊娠の事、ずっと..今迄、気づいてやれなくて..ご..めん。言い訳はしない。Aに辛い思いを強いて、本当にすまなかった..」
いつも自信に溢れた彼の声。今は、しぼり出すかのような..いや、苦悶に満ちた声だ。
紙袋に入れていた、かつての母子手帳を取り出し、
パラパラとめくりながら続ける。
「許して欲しいなんて思ってないさ。ただ..命を授かった喜びも、そして失った悲しみも共に..出来なく..て―― 」
いつもと正反対で、今日は降谷が言葉に詰まり出す。
「零君、ありがとう..そんな風に感じてくれて。」
すっと、Aの長細い指が降谷の目元に触れる。
すると、ゆっくりとその青い瞳は瞬く。
「でも..もう..これ以上自分を責めないで？」
「A..でもっ、」
「ずっと零君に言えなかった私が悪いの。今思えばあの頃の私..自分の保身しか考えてなかった..」
伸ばした先の目元で光るものを、指でそっと拭いながら更に告白する。
「零君に捨てられたくない一心だった..」
「いや、違うんだっ！そんな風にAを追い詰めた俺が悪いんだっ、」
「そんな事ないよ、零君じゃなくて私がっ..」
「いや、俺がっ、」
互いにどちらが悪かったかを一向に譲らない。
そんな言い合いの攻防戦が暫く続き...
..
「ふははは、」
「あははは..」
思わず吹き出しながら、見つめ合った。
「零君、この言い合い..もうやめにしない？」
「賛成。だが、Aが授かった赤ちゃん..忘れるなんて出来ない。」
彼の笑みにはどこか影があった。
「零君、見て？」
母子手帳に綺麗に挟んであった、エコー写真を
降谷に見せる。
「この子がね、私の..お腹の中にいてくれたんだよ。小さくて..胎動なんてまだまだだったけど、確かにいたの。」
Aはもういる筈の無い自身の腹部をゆっくりとさすってみせた。
「きっと、パパに..会いたがってた。
私達の赤ちゃん――」
「A..」
「...産みたかったよ、産みたかった..の..」
「うん..そうだな、そうだよな..」
降谷は悲痛なAの訴えを、強く抱きしめながら
ただ聞いてやる事しか出来ない。
胸の奥底にしまっていた、
最大で最後の悲しみ――
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (
レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは！続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして！誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います！最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます！只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の２人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年4月14日 4時
