＊ ページ23
混雑極まる保安検査場前。
順番までに自身の持ち物チェックに余念が
無い人や、長蛇の列に耐えきれず苛立ちを見せる者。それから、他愛もない話に花を咲かせる者。
そんな者達で構成される長い長い列。
気怠く待ち続ける人々の好奇の的と化した2人。
「ねぇ？ほら、見ろよアレ。」
「なになに？何かの撮影？」
「さ、さぁ..」
それらが次第に色めき立ち始める。
公衆の面前で感情的に抱き合う降谷とA。
彼の皺一つ無さそうなスーツをぎゅっと掴む。
こんなに強く握るとしわくちゃになってしまうかもしれない。折角綺麗に仕立て上げられているのに。
「零君、」
「ん？」
頬を涙で染めたままもう一度見上げる。
彼に泣き虫と言われた顔を、今度は笑って見せようとした。
「ごめんな...俺はAを泣かせてばかりだな。」
そっと覗き込んでくる、眉が下がりきった彼。
「ち、ちがうの...嬉しいの。」
今は貴方しか見えないの―――
「零君、嬉しいの...」
俺もだよ―――
「A..」
それは、
― 2人だけの世界 ―
もう一度見つめ合うと、惜しむ事なく溢れだす
2人のくすぐったい笑み。
「こ、こらっ、もう泣くなよ？」
「んっ..」
あたたかい彼の親指が、Aの涙袋で輝く雫を
そっと..そっと..拭う。
「よし、行くか...」
降谷は目線を周囲に向けて見ると、大多数の視線をこれでもかと集めていた事に気づいたのだ。
それは、降り注がれる羨望の眼差しに近かった。
「えっ、ま、まって！」
「嫌だ、もう待たない。」
断固として異論は認めないようだ。
細い身体に巻きついていた腕は、今度はAの
手を引きながら歩くよう促している。
絡まっている互いの指と指が、直ぐに熱を帯びだしたのが分かった。
「ほら、A、こっち。」
「えっ？」
Aの歩幅に合わせながら歩き出す。
「「 降谷さんっ！！！」」
人ゴミに紛れ突如投げられるその声に、降谷がピクリと反応を示す。声の正体は、通路脇に控えていた部下達だった。ピーピー！！と、誰かが指笛をわざとらしく鳴らしたてていた。
「...ったく、あいつ... 」
直ぐにお調子者の部下が頭に浮かぶ。
どうやら、降谷には心当たりがあるようだ。
「降谷さんっ！」
人ゴミをかき分けながら登場した風見は、ポケットから何かを取り出した。車のキーだ。それを持ち主に返す。
「Aさんの荷物はもう車に運んでますから。」
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (
レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは！続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして！誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います！最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます！只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の２人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年4月14日 4時
