Voiture ページ17
「...っっ!?」
猛スピードで、縫うように次々と車列の間をすり抜けて行くRX-7。完全なる危険運転だ。
紛れも無い。
それは、純然たる違法行為――
「ふ、降谷さんっ!と、飛ばし過ぎではっ!?」
「俺を煽った君が悪い。」
酷く乗り心地が悪い車内。
降谷の顔色ひとつ変えないバンドルさばきに、
風見の眼鏡がズリ下がる一方だ。
ブ―ブ―――
「はい、こちら風見。」
― 急にどうしたんですか!?何か緊急の召集でも!? ―
後方を走っていた部下達が、突然とばし出す降谷達を不審に思ったのだ。
「まぁそんなところです。至急空港へ......うわっ、」
― えっ、空港っ? ―
キキ――ッ
大きく車体が揺れた様な気がした。
これもわざとなのだろうか?
「おい、風見。余計な事は言うな。みんなには、先に戻る様に伝えてく...」
今だけは、敬愛する上司の命令に背く事を
どうか許して欲しい。
「予定変更!大至急空港に向かって下さい!!場所は国際線ターミナル、14時20分発パリ行き..」
「おいっ、風見っ!!」
「降谷さんの婚約者の..如月Aさんを見つけ出して下さい!」
「風見っ!!!」
― えぇぇっ!!!如月Aちゃん!?降谷さんの!? ―
スピーカーホンにしなくても、十分に伝わる絶叫。
「えぇ、そうです。とにかく!何が何でも搭乗させず、見つけ次第降谷さんに至急連絡をっ!」
― 了解っっ! 降谷さぁぁぁん!!! ―
電話越しに何か凄い叫びの様なものがいくつも耳を貫いた。それは、びっくりするぐらいの狂喜じみた声。
「おい、さっきの話は無しだ。君達は先に戻っててくれないか?」
いつの間にか風見から携帯を奪い、この冷静な声は新たな指示を飛ばし上書きしようとする。
― ふ、降谷さんっ!? ―
「そうだ。このまま戻るんだ、いいな?」
― 何言ってるんですか!?事情は良く分かりませんが、こんな時くらい俺達を頼って下さいよ。如月Aちゃん、絶対に見つけますから! ―
「...ちゃん?」
― あっ、Aさん.. ―
「ふっ、すまないな..じゃあお願いしてもいいか?」
終話すると、盛大に息を吐きながら携帯を風見へ渡す。
「お前なぁ...」
「...どこか違いましたか?病院でそう公言したのでは?」
隣には恨めしそうに風見を睨む上司。
「あぁ、そうさ。そうするつもりだ。」
「降谷さん..」
風見ももうこれ以上、2人がすれ違う様を見たくないのだ。
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは!続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして!誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います!最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます!只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の2人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポポロン | 作成日時:2019年4月14日 4時