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「やだぁ、零さんったら、
可愛い〜！」
降谷の机上に置かれていた、中身が空っぽのAのカップ。今それは、まさに愛依から送られる好奇の眼差しを受けとめている所であった。
「これ、 “ ケブンイレブン ” のですよね。意外だわ！零さん、沢山パン食べたんですね。いいなぁ...これ私も狙ってたんです。ピンクは数量限定なの。」
普段なら程良い緊張で支配される筈の空間が、
今は愛依のはしゃぐ声で台無しだ。
昔の温度感に戻りたくない降谷。
次第に遠慮が薄れ始めて来た愛依に、今の内に線引きをしておかないと他の者への示しがつかないと懸念がよぎる。
「今野、ほら捺印したから。さっさと戻れ。それと、職場では降谷と呼べと言っただろ？」
「はぁーい。」
ここは警察庁。今野次長と仕事で昔関わった事がある者も居る。 しいては、娘の愛依に気づき邪推する者も出てくるだろう。降谷の見合い写真の山に、
その本人登場。しかも、関係者の娘ときた。邪推するには良い判断材料が揃っているではないか。
類を見ない優秀さ故、年齢に不釣り合いな階級を与えられている降谷。彼に嫉妬や妬みを持つ者が居ない訳じゃない。そういう奴に限り、低劣な俗物根性を遺憾無く発揮するに決まっている。
「ねぇ、零さん！それよりこのカップ欲しいです。勿論代わりの用意するから..駄目かしら？」
「はぁぁ、聞いてなかったか？名前で呼ぶな。それと、コレは駄目。」
Aのピンクのカップを手に取る愛依から、あっさりとそれを奪ってみせもう一度注意した。
「ほらっ、さっさと戻って仕事しろ。やるべき事は沢山あるんだぞ？」
愛依は、「かしこまりました。」とそのまま下がると思いきや、得意の上目遣いで降谷を熱心に見つめる。
「零さん..厳しい..」
「馬鹿、遊びじゃないんだ。ほら、これ。」
降谷が愛依に捺印済みの書類を差し出すと、何かに反応する。パーテーションで区切られたこの空間の入り口付近に、僅かな気配と黒いスーツの裾が見え隠れしていたのだ。そんなもの、降谷が見逃す筈が無い。
「A、いるんだろ？丁度いい、こっちに来い。」
降谷のその一声が、愛依の目を丸くさせた。
その視線がそのままAに突き刺さる。
「あっ...えっと、失礼..します。」
Aの咄嗟に出た返事は、たどたどしい。
途切れ途切れで聞こえた2人の会話。
はっきりとは分からなかったが、感じたのは初対面の上司と部下らしからぬ雰囲気。
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
