＊ ページ18
たかが、手を握られただけなのに
過剰に反応するAの身体は、
まるで幼い子供のようだ。
困った事に、特定の人物にしか反応を示さない。
そして、強く思う。
私って...なんて、単純なの？
なかば降谷から強引に車内に押し込まれ、
緊張しながらの乗車。上司の車の助手席と言う
特等席は 自然と背筋が伸びる。
先程カフェで降谷から吐き捨てられた台詞に、
降谷のこの突拍子も無い行動。
今迄、幾度も捨てようとして捨てきれなかった
恋心。年月を無駄に空費し、ぼんやりと色褪せ始めていたソレ。
降谷君の思わせぶりな態度――
その気なんて無い癖に、
優しくしないで。
また、勘違いしちゃう..
置き所が無い、この胸の苦しさ――
全ては、見えない
いや..見せない彼の本心により出来た産物だ。
それも、厄介な。
..
悩ましい事に、何気ない彼のハンドルさばきは
いちいち絵になる。これで、何も気まずい事でも
無ければ、うっとり眺めていれたのに..
と、悔やむA。
それもこれも、仕事中に浮ついていた自分が
いけなかった...だから、咎められた..
「あの、すみ..」
「さっきは、すまなかった。」
重なる謝罪。
しかしAは最後まで言えず、
降谷が押し切る形となる。
「君は何も悪くないのに。」
降谷は、これでも自覚はしていたのだ。
あれは、八つ当たりに近い状態だった。
不愉快、表現するなら正にこれが相応しい。
あんな風に赤井と仲睦まじい姿なんて、
ただの挑発材料に過ぎなかった。
自分は別件で、頭を抱えてこんなにも
悩んでいると言うのに。
そんな感情にほんの一瞬、呑み込まれてしまったのだ。
「...他の事で、少しイライラしてたんだ。」
「えっ、降谷さんが？」
信号機が赤に変わった事を確認すると、隣でかしこまったまま着座するAをチラリと見る。
そして、降谷は心底困ったように眉を下げてみせた。
「A、言っただろ？その呼び方は、嫌いなんだ。」
「で、でも..」
「僕が良いって言ってるんだ。そうしてくれないか？嫌なんだ、Aからそう呼ばれるのは。」
Aが躊躇するのも仕方がない。同じ課の者、
皆そうしているからだ。降谷はいわば、年下上司
にあたる者が多い。 “ 降谷 ” と、呼び捨てだった
のに、いつしかそれが “ 降谷さん ” に変わった。
降谷の抜群のセンスと能力がそうさせた。
いや、厳しい環境の中で研鑽を重ねて来た賜物だ。
降谷零は実に優秀な男である。
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
