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「松本先生、最近機嫌いいですね？」
他の先生から言われてここ最近のことを思い出す。
あれからほぼ毎週、Aはちゃんと俺に会いに来てる。
今日もその日だから楽しみにしてるのが顔に出てしまったんだろうか。
「そ、そうでしょうか？」
「はい。まぁ先生が笑顔だと生徒にもいい影響があるので問題ないと思いますけどね。」
そのまま授業のために教室へ向かうその先生を見送りながら自分の顔を弛まないように押さえてみる。
最近じゃ呼び出すことがなくてもAはちゃんと来るようになってて、デートを重ねるうちに少しずつ距離が近づいた気がする。
俺がお金を出すことにいつも不満げというか、不安げな姿も見なくなった。
変なとこ意固地なんだよな、あいつ。
人を頼りにすることとか、ほんと苦手だからな。
セックスはいつまで経っても慣れないのか、相変わらず電気を消せだの恥ずかしいだの言って体を隠すけど。
初めて俺の部屋に連れていった時は嬉しそうだったな。
「松本先生、なに考えてるんですか？」
いきなり後ろから肩を組まれて驚く。
「二宮！」
「いやぁ、松本先生がご機嫌なのは私としても嬉しいところですが、浮き足立ってると足元を掬われますから、気を付けてくださいよ？」
「え…。」
「例えば…、今日は飲み会だって覚えてます？」
「え！それって今日だったっけ！？」
「ほらぁ、やっぱり忘れてた。今日は現国の先生の産休で代わりに来た先生の歓迎会ですよ？」
「マジか…。」
慌ててスマホを取り出すが、もうすでに新幹線に乗ったであろう時間になってる。
今さら、今日は予定があったなんて送るのもなぁ。
あとヤりたい。
開始は６時からだったはずだから、少し早めに学校を出て先にAのとこに行って鍵を渡して部屋で待つように言うか…。
悪いことをしたな…。
終わりは２時間後だから８時半には帰れるな。
幸い今日は車で来てないからなんとかなるかな…。
ため息が出る。
今日はクリスマスも近いからその辺ぶらぶらしながらAの欲しそうなものでも見ようと思ってたのに…。
だいたい職場の飲み会なんて嫌いなんだよな。
化粧臭い女たちに囲まれて愛想笑いなんて…。
そういや、Aも最低限の化粧はしてるみたいだけど、あんまり化粧臭くねーな。
それよりも、シャンプー？せっけんの良い香りがしてる。
思い出すとダメだ。早く会いたいなぁ。
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作者名：ゆーり | 作成日時：2017年12月14日 0時
