【完々】梅 と 松【梅原裕一郎】

三人暮らし ページ6

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今日は待ちに待った退院の日。このご時世なのでうめが病院に来る事が出来なかったし、娘の顔を見てくれる人もいなくて心細かった。けど今日からはやっと三人で暮らせる。

『ここがお家で〜…汚っ！え！？散らかりすぎじゃない！？』
「や、頑張った方だよ」
『ベビーベッドの周りはめちゃくちゃ綺麗だ…』
「なんかおもちゃとかありすぎて迷走してきた」

ベビーベッドやおもちゃが増えるまではこの家はめちゃくちゃ綺麗だった。元々物が少なかったし。
けど色んな人からプレゼントを貰ったりすると、だんだん物が増えてきて、そんな経験があまりないうめは戸惑ったんだろう。可愛すぎるな。

『一緒に片付けよ！』
「ダメ。Aは休んでて」
『あっはい』
「今寝てる？」
『うん、今のところ』

抱っこして連れて帰って、娘はすやすや夢の中。
ベビーベッドに寝かせて二人で寝顔を見つめた。

「全体的にAに似てる」
『そうかな？鼻とかうめっぽいけど』
「あー、なんか分かるかも」

どの辺が誰に似てて、将来はこうなるかな？とかあまりにも早すぎる想像をして片付けのことなどすっかり忘れて夜になった。

二人で沐浴に没頭し、娘の気持ち良さそうな表情を見るとなんだか私達までそういう気持ちになった。いいなあ。お風呂に入るだけでそんな感じの表情出来るの。
終わったあとは授乳して寝かしつけて、ようやく一日が終わった。

「ふぅ…神経使った」
『ね…大変だね。けど楽しい』
「たしかに。花江くんもこんな感じだったのかな」
『あ〜、かも。花江くんとこは双子ちゃんだから今のがもう1回あるってことか』
「すごいな…」
『私たちも頑張ろうね。じゃあお風呂行ってくる』

今までは二人で入ってたけど、入ってる間に起きちゃうとまずいからうめに見ててもらうことにした。
ぐっすり寝てるから大丈夫だろうけど。

『お風呂ありがと…』
「あ、おかえり。今喋ってたとこ」
『いや何してんの可愛すぎ』

寝てる娘に向かってなにか話しかけていた。
何話していたのか聞いたら、私達の馴れ初めから今までを語っていたとのこと。
生後まもない娘に話すことじゃなくて面白かった。

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