【完々】梅 と 松【梅原裕一郎】

お姫様気分 ページ5

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自分ダサいなと思いつつ、可愛いことを言ってくるAを愛おしく思った。

「…じゃあ、あんなに可愛い顔してるAも俺だけが見られればいいね」
『私はうめにしか見せないよ』
「ヨシキと話してる時も可愛かったんだけど」
『それは知らん』
「あ、ずる」
『うめ！好き！これで解決！』
「なんだそれ」

どこまで可愛ければ気が済むんだ。
本当に、俺の事が好きでたまらなそうな顔を見るとさっきのモヤモヤしたものが吹っ飛んだ気がした。

座り直したらAも隣に座った。
こてんと頭を肩に置いてきて俺の方をチラッと見た。

『んふふ、へへ…かっこいい』
「その意味分かんない声出すのやめて」
『溢れ出たの』
「それみんなの前でやってよ」
『変な奴だと思われるじゃん』
「もうみんな知ってるでしょ」

今日のイベントは置いといて、他のイベント現場では俺がいない時でもAは二人で居る時の話をするらしい。公表してからというもの、プライベートのことを聞かれるのが増えた。その度に優越感に浸れる。

『あ、ヨシキくんからLINEきた。うめに「Aお借りしましたって言っといて」だって』
「そういうの直接送ってこいよな」
『あ、妬いてる』
「もう火事レベルだよ」
『上手いこと言いましたな』
「そんなこと今はいいからベッド行こ」
『唐突！』

驚きながらも手を繋いできたから、これはOKという事なんだろう。横抱きにして寝室まで行ったら『お姫様気分』と嬉しそうだった。姫がそれで幸せなら何度だってしてあげる。

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作者です。
こんなにもたくさん星を押していただきありがとうございます…！皆様に楽しんで頂けるお話を描けるように頑張ります！
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