好きより ページ6
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Aと暮らし始めてしばらく経った。相変わらず朝が弱すぎて全然起きられない。今日は久々に休みが被ったから出掛けるって言ってたのに全然起きない。
出る時間になっても起きなかったからさすがに起こした。
「おい、起きろ」
『…えぇ?』
「もう出掛けるけど」
『え!?嘘でしょ!』
「嘘だよ。まあ時間だけど」
『なんだ…いや、ダメじゃん。あ、おはよう』
「おはよう。呑気で良いな」
昼過ぎまで寝てたし出掛けるのも面倒臭い。だけど必要なものは買わないといけない。
『はぁ〜よく寝た。なんかもう一生分寝ちゃったな』
「お前の一生短いな」
『えへへ』
「どこで照れてんだよ」
『起きてうめいるからなんか好きだなって思って』
たまにこういうこと言われると胸が苦しくなる。口には出さないけど好きなのはこっちも同じなわけで。こっちの気も知らずに平気でそういう可愛いことを言うから耐えきれなくなって抱き締めた。
『わ、びっくりした』
「不意にそういうこと言うのやめろ」
『え、なんで。だって好きだもん』
「はぁ…」
『うめも私のこと好き?』
「言わない。早く準備して出よう」
『えーなんで言ってくんないの!ずるい!私の好きを返せー!』
先にベッドから出たら騒ぎ出した。寝起き悪い癖に声はデカい。
「好きじゃない」
『え!ショック…』
「でもまぁお前が思ってる以上に俺はお前のこと愛してるけど」
自分でも鳥肌が立つような言葉を言い放って寝室を出た。Aは言葉にならない声を出しながらベッドに倒れた。
ダラダラ準備をしてようやく家を出た。季節は春になってきた。また桜が咲く季節がやってくる。
『暖かいね〜』
「カーディガンで全然いけるな」
『ね。余裕だわ。ねぇねぇ、今年もお花見しようね』
「暇だったらね」
『去年みたいに夜見に行きたい』
「そんなんでいいの?」
『うん。なんか特別な感じがして嬉しいじゃん』
「ふーん」
去年一緒に見た時はまだ恋人同士ではなかった。
恋人になったからと言って何か変わるわけではないけど、隣にAがいることが特別なんだと実感した。
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ちた - 返信ありがとうございます。楽しみに待ってます! (2020年9月3日 22時) (レス) id: 39fd240eae (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ちたさん» コメントありがとうございます。更新頻度下がっててすみません!近々更新するお話出来てますのでしばらくお待ちください! (2020年9月3日 19時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - る。さん» ありがとうございます!更新頻度下がってますがこれからもよろしくお願いします! (2020年9月3日 19時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちた - 楽しく拝読させて頂いてます。もう更新はなさらないのですか? (2020年9月3日 18時) (レス) id: 39fd240eae (このIDを非表示/違反報告)
る。(プロフ) - ええもう最高です!きゅんきゅんしすぎて心が持ちそうにないです! (2020年8月26日 7時) (レス) id: 3de2d695dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2020年8月5日 21時