進撃の巨人【リヴァイ】 リヴァイを驚嘆させたのは人類最強の娘でしたpart３

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ーー少し、化学の話をしよう。


我々の世界では、顕微鏡というものがある。


それは簡単に言うのであれば、小さい物を見る道具だ。


その性能は実に素晴らしく、ーーまあこの辺は割愛させてもらうが、つい数年前、とある医者が、人間の皮膚を顕微鏡で見てみた。


すると人間の皮膚は、何か小さい物の集まりで出来ており、その医者はそれを『細胞』と名付けた。


私は医者じゃないので詳しくは知らないが、その『細胞』で、人間の体は作られているのだそう。


ただこれは、確定した事実では無く、あくまで推測としてその医者が言っただけだ。


実際私たちは、自分の体が何で出来ているか、『細胞』とは何かなんて気にして生きていない。


自分の体なんて、自分が昨日食べた物で出来ているーーこれくらいにしか、思っていない。


『細胞』の話を信じてない奴はたくさん居るし、そもそも知らない奴も居る。


私たちは兵士。


負傷すれば医者に診てもらうが、その医者がしていることに興味は無い。


怪我や病気を治してもらえればそれで充分だ。


ーーここで話を戻す。


Aの体も、『細胞』の集まりで出来ていると仮定しよう。


あくまで仮定だ。そこを常に頭に入れておいてくれ。


もしも、Aの体も、『細胞』の集まりで出来ているのだとしたら。


・


・


・


ハ「《細胞には、限りがある》。


そう、言っていたよ、その医者は」


一通り、説明をして、私はリヴァイの反応を伺った。


リヴァイは何も言わない。


沈黙が流れる。


おしゃべりな私はこういう沈黙が苦手で、だからいつもはここでまたしゃべりだしてしまう。


だけど、今はまだ、沈黙の方がマシだった。


ーーこれは私の考えた、根拠の無い仮定。


そうだと分かっているのに、このまま、仮定を考えて、それを口に出すのが怖くなった。


《細胞には、限りがある》


《細胞は分裂してふえていくが、分裂する回数が決まっている》


《その回数を終えると、あとはもう細胞は作られなくなる》


《古い細胞もまもなく機能を果たさなくなり、人体の機能もそれに伴って果たさなくなる》


《これがいわゆる老衰だ》


《怪我をした箇所も、細胞がそこで分裂し、殖えて、その傷を塞ぐ》


《かさぶたが出来るのはそれのせいだろう》


ーー医者が言ってた事だ。


話半分で聞いたこの内容に、背筋がぞっとした。

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