unexpected*94 ページ8
ある仮説だけど、と前置きしてから私は言った。
「Aの実験が、もしも成功していなかったら?」
聞き逃されないように、ハッキリと伝える。
リヴァイの表情が、ぴくりと動いた。
ハ「成功してない....というより、副作用、かな。
....例を挙げて話すとすれば、エレンか。
エレンが『巨人化が出来る』と分かったと同時に、『次に巨人化が出来るのはいつ』だって分かった?」
リヴァイに向けて問う。
リ「分かんなかったな。分かるわけねぇよ」
ハ「だよね。ーーAも同じ。
すごい脚力で馬よりも速く走れる、と分かっても、その後の疲労度は走らせた後じゃないと分からない。
エレンは私たちと一緒に訓練したり、実験したりして、手探りではあるけれど一つ一つの行動に対する結果がつかめてきた。
だけど、Aはそれをされてない。
自分の体の限界値を、知らないんだ。Aは。
....それがどれだけ危うい事か、分かるよね、リヴァイ」
リ「..........」
無言だけど、リヴァイは私の言うことを肯定した。
ハ「.....不自然、だと思ったのは、最近からだ」
リヴァイはひょっとしたら、感づいていたかもしれないけれど、大多数の人が、大きな盲点を見落としていた。
ーーAの、対価について。
ハ「あの子の世界を、あの子が受けてきた仕打ちを、我々の物差しで測っていいかは分からない。
だけど、思わない?リヴァイ?」
リ「.....何をだ」
はぐらかなさいでよ。
ハ「.....Aの、『副作用』は、いつ出るかって」
副作用。
壁をも越える跳躍と。
巨人と同等な頑丈な肉体。
そして、異常で、不自然な、治癒力。
ハ「おかしい、完全におかしいんだ。
下半身が丸々無くなって、潰されて.....それが再生するなんて」
すごい、とか、そんな次元の話じゃないことに、もっと早く気付けられたはずだ。
ハ「Aの再生能力が、何の不都合も無く行われるものなのか?
本当にそれで結論付けていいのか?
もっと、小さな事を、見落としていないか?」
本当にAは、『成功実験体』としていいのかーー?
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません!ありがとうございます!ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります!コメントありがとうございました!! (2019年1月20日 3時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ!! (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです! (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます!閲覧頂きありがとうございます!更新頑張ります! (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます!コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚音 | 作成日時:2014年5月20日 19時