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「お姉ちゃん」
暗闇の中で、声が聞こえた。
懐かしい。
私をこう呼ぶのは、妹だけ。
「お姉ちゃん、お姉ちゃんってば」
暗闇の中から、妹の姿が浮かび上がる。
くるくると笑う、明るい子だった。
あの時の顔のまま、あの時と同じ声のまま、妹はそこに立っていた。
「ねえ、もう無理しないで」
ーー無理って、何を?
「なんで、なんでそんなに無理するの」
「もういいよ。なんでお姉ちゃんが、こんな所で、無茶しなくちゃいけないの」
ーー無茶なんてしてないよ。
ーーだって、ここで、エレンやリヴァイさんたちの役に立てることが、すっごく嬉しいんだから。
ーーそれが、今の私の、存在価値なんだから。
「でも、もう駄目だよ」
ーー何で?
妹の姿がどろりと闇に溶けた。
目の前から消えた妹に、戸惑っていると、耳元に、しゃがれてひび割れた声。
「そんな体で、何が出来るの?」
目玉が溶けて、指が欠けて、歯が落ちて、骨が変形して、人の形を取れなくなった妹の姿が目の前に現れた。
突然のそれに、思わず身を引いた。
そして気付く。
これは妹の姿じゃない。
ーー鏡に写った、自分の姿だと。
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あ「……ぅわああああ!!!」
夢から覚めた。
そこにはいつも通りの、簡素なベッドと、物が無い部屋ーー兵団が使う建物内だった。
あ「は、…う、……夢」
呼吸を整えて、瞬きをゆっくりと繰り返す。
汗で、服が肌に張り付いて気持ち悪い。
けど、それ以上に、得体の知れない恐怖に体が震える。
あ「……」
夢の内容を何度も反芻した。
死んだ妹。
ーー『そんな体で、何が出来るの?』
恐る恐る、毛布を捲って自分の体の様子を確認した。
じっくり観察をしたが、特におかしな点は無い。
だが、この拭いきれない恐怖は一体何だ。
あ「………………あ」
そうだ。
今日は、あの任務からいつから経った?
何月何日の、何時なんだろうーー。
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません!ありがとうございます!ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります!コメントありがとうございました!! (2019年1月20日 3時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ!! (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです! (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます!閲覧頂きありがとうございます!更新頑張ります! (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます!コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚音 | 作成日時:2014年5月20日 19時