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unexpected *119 ページ34

餓死が出来ないのなら、逆に危ないものでも食べればしねるだろうと思って土を食べた。


もう入らないと思うほどつめこんで、飲み込んで。


それでもいきていた。


吐き出してはしまったけれど、それだけ。


嘔吐とか下痢とかで、脱水症状でしぬことも考えていたのに、それすら叶わなかった。


すぐそばに海があるのだから、溺死はどうだろうと思って飛び込んだ。


だけど、驚いたことに体がちっとも沈まなかった。


氷や浮き輪のように、ぷかぷかと水に浮いているだけ。


身にまとっている衣服はもちろん普通の布。


水を含んで、沈みやすいはずなのに。


顔を水につけて窒息はどうだろうと試した。


10分くらいつけていてもしななかったので諦めた。


海から上がって、結局一番最初にいた地べたに座り込んだ。







淡々と、しぬ方法だけ試して。


何をしているんだと止める人は居ないから、好きなだけ自分を殺し続けた。


一度として、成功しなかったけれど。


ーーこうでもしなきゃ。こんなことして、気でも紛らわせなきゃ。


とてもじゃないが、いきていけないと思ったのだ。


矛盾していると自分でも思う。


いきているためにしのうとするなんて。


馬鹿みたいだと思う。


だからといって、私に残された道なんてものは、どこにも無くて。


ーーどうして私は食べてもらえなかったの。


一人残していくなんて、巨人はなんて酷いんだ。


私一人、残して。


ーーどうして。






「私だったの…?」







私一人いき残って。


私一人無傷で。


苦しくて叫んだなんてこと、思えば施設にいる時だってほんの数回しか無かった。


みんなと同じ注射をされても、その後みんながばたばたしんでも。


私だけはいきていた。


私だけはなんとも無かった。


私、だけ。


「…う、うあ…っ、あ、ひ、っく」


ぽろぽろと塩気のない涙が零れた。


嬉しくもなんとも無い。


自分が選ばれた人間だなんてちっとも思っていない。


ーーむしろ、選ばれなかったんだ、私は。


私だけ置き去りにされた。


皆からーー『世界』から。

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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません!ありがとうございます!ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります!コメントありがとうございました!! (2019年1月20日 3時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ!! (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです! (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます!閲覧頂きありがとうございます!更新頑張ります! (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます!コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚音 | 作成日時:2014年5月20日 19時

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